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水の電気分解 (2019年04月15日更新)


中学の時に学校で電気分解を習い、自宅でもやってみたいと思いましたが、水酸化ナトリウムが入手出来ず、何を思ったのか、食塩水で試したことがありました。

しかしプラス極には酸素は出てこず、代わりに周囲が黄色くなってきたのを覚えています。
理科の先生に尋ねると、塩素が生成するけども、直ぐに水に溶けてしまって黄色くなる、

と教えてもらいました。


数年前、子供が電気分解をやりたいと言うので、同じ方法でやってみせましたが、やはり、酸素が出ないことに、私自身、物足りなさを感じ、水酸化ナトリウムを作るところからチャレンジすることにしました。
方法は、これまた何で思ったか忘れましたが、

重曹と消石灰を混ぜれば、都合よく水酸化ナトリウムが生成するのではないかと思いましたが、
ネットで調べると単に混ぜるだけではダメで、火にかける必要があるとのこと。

水酸化ナトリウム溶液に変わるものをグツグツ煮るのは怖いので、仕方なしに三角フラスコをネットで注文しました。
三角フラスコ

500mlの三角フラスコを購入。
MonotaROで、989円でした。


消石灰

以前、ホームセンターで購入した消石灰。


重曹

家内が台所用に購入していた重曹。


消石灰と重曹の分子量を計算すると、

Ca(OH)2→ 84.0059
NaHCO3→74.0918

消石灰と重曹の反応式は、

Ca(OH)2 + NaHCO3 → CaCO3 + NaOH + H2O

で、等モルで混ぜれば良いので、84:74、ざっくりとは、
おおよそ、約10:9くらいで混ぜれば良いことになります。

秤で消石灰を10g、重曹を9gを500mlの水に混ぜました。

ちなみに、消石灰の水への溶解度は
0.18g@0℃
0.176@10℃
0.165@20℃
0.153@30℃
0.141@40℃
0.13@50℃
0.077@100℃
で、ほとんど溶けません。


消石灰と重曹を混ぜた三角フラスコをガスコンロに乗せて、弱火でゆっくりと加熱し、割り箸で軽く攪拌しました。そのうちに、対流のせいなのか、発生する泡のせいなのか、勝手に混ざり始めます。たぶん、重曹からのCO2が泡になっているのかなと。これが、消石灰と出会って、炭酸カルシウムとなるはずです。

沸騰する手前で火を止めて、置いておくと、白い沈殿物(炭酸カルシウム)が溜まっていました。
上澄みをタッパーにうつします。




できた水溶液の上澄みを、予めステンレスのM3ボルトの電極をつけたタッパーに移し替え、アクリル筒の空気を吸引して空気を抜き、電気分解にトライ。

塩素ではなく、ちゃんと水素と酸素が2:1の割合で出てきました。


感想
中学生の頃から自宅では試せなかった、念願の水酸化ナトリウムでの電気分解を実現でき、少し達成感を味わうことができました。


これを応用して、石鹸を作ってみたり、太陽光発電で充電したバッテリーで水素を溜めてみたり、できるかも知れません。



しかし、作業をしている際と、それ以降、多少、喉がヒリヒリするかなぁという気にもなりました。この頃、花粉症と風邪がまざったような変な体調で、風邪のせいであった可能性もありますが。


水酸化ナトリウムは揮発しないだろうと思いながらも、念の為、ネットで検索すると、”目がチカチカした”と書いている人もいました。

泡が弾けると、その際の飛沫に少し含まれて、空気中に漂うこともあるのかも知れません。

太陽光発電を利用して電気分解するには、水酸化ナトリウム溶液よりも、もっと安全な溶液を検討すべきかも。。。。


と、検索すると、炭酸ナトリウムが良い、と解説しているサイトがありました。

http://www2e.biglobe.ne.jp/shinzo/jikken/NaCO3_denkibunkai/NaCO3_denkibunkai.html