 | 新人ザック・ヘルムによる大胆な着想の脚本を、「ネバーランド」のマーク・フォースター監督が映画化しました。 喜劇系のウィル・フェレルがいつものハイテンションを抑えて繊細に演じる周囲を、「ハワーズ・エンド」のエマ・トンプソンや「レインマン」のダスティン・ホフマンというアカデミー賞に輝く実力派や、「モナリザ・スマイル」のマギー・ギレンホールにクイーン・ラティファといった演技派が固めました。 ある日突然、自分の人生が人気作家によって執筆中の物語に左右されていることを知った男が、自分の人生を取り戻すために奮闘するさまを、“小説の語り手”についての考察を絡めつつユーモラスかつ寓話的に綴っています。けっして大きなスケールの作品ではないですが、現代人にとって幸せが何かをあらためて考えさせられる、チャーミングな佳作といった仕上がりでした。ザ・ビートルズの名曲の数々にヒントを得たという各場面を、観客が見抜けるかというのも見ものです。
国税庁の会計検査官ハロルド・クリック(ウィル・フェレル)は、規則正しく単調な毎日を送る平凡な男。ところがある朝、彼の頭にナレーションのような女性の声が聞こえる。それは断続的に聞こえるようになり、文学的な表現でハロルドの行動を的確に描写していく。どこかで自分を主人公にした小説が書かれていると疑い始めたハロルドは、“このささいな行為が死を招こうとは、彼は知るよしもなかった”という信じがたいフレーズを聞いてしまう。困惑した彼は、文学を専門とするヒルバート教授(ダスティン・ホフマン)に相談してみることに。そんな中、国防費に抗議して税金の一部を滞納し続ける勝ち気なパン屋の女店主アナ(マギー・ギレンホール)に心惹かれていくハロルドだったが…。
自分の生活をナレーションする声を聞いた男が、どこかで自分を主人公にした小説が書かれていると疑い、しかもその声が自分の死を示唆する内容だったので焦り右往左往する物語です。
“フラット・パック”の1人の喜劇俳優ウィル・フェレルが主人公を繊細に演じたファンタジーです、何時ものウィル・フェレルとは違ってドタバタ・コメディではありませんでしたね、しかもマギー・ギレンホールにエマ・トンプソンにダスティン・ホフマン、クイーン・ラティファと共演陣もとても豪華メンバーでした。
主人公のウィル・フェレル演じるハロルドは真面目な国税庁の監査人でしたが、ある日自分の行動をナレーシする声を聞きます。マギー・ギレンホール演じるアナ・パスカルはハロルドから目を付けられているベーカリーの女主人、密かにハロルドはアナに好意を持つようになります。
エマ・トンプソン演じる作家のカレンはスランプに陥り主役を殺すことにします、助手にクイーン・ラティファ演じるペニーがきてエマのスランプを解決しようと助けます、一方のハロルドは自分を殺すというナレーションを聞いてダスティン・ホフマン演じるヒルバート教授に助けを請います。
何時ものドタバタ・コメディを封印して今回は真面目なコメディ?に挑戦したウィル・フェレルも見事でしたが、彼が惚れるベーカリーの女主人アナ・パスカルを演じたマギー・ギレンホールの演技は素晴らしいですね。
マギー・ギレンホールはこういった“実はインテリの世捨て人”みたいな役似合いますよね、確かに凄くキュートでスタイルも抜群ですが彼女の演技にというか仕草についつい目が行きますよね。このアナ役でも片腕一面にタトゥーを入れていましたが、ちっとも下品に映らない魅力があるんですよね。
アナが乱雑に積み上げられた紙の入った段ボールを、「税金に関する書類」だとハロルドの前にドンと置き、「私は几帳面だけど、これはアナタに対する嫌がらせ」といったシーンは笑えました、マギー・ギレンホールの表情や仕草がとてもチャーミング、『ダークナイト』も楽しみになりました。
ストーリーもいかにもですが僕の大好きな『ラブ・アクチュアリー』に似た、要素というか感じがしてとても見終わってスッキリした映画でした、ラストも爽やかで素晴らしいと思いました、果たしてハロルドの迎えるラストとはどんなものでしょうか、お勧めします。 |