 | 医師の夫と大学生の娘を持ち、何不自由ない暮らしを送りながら、一方で夫への愛が冷めてしまったことを自覚するヒロイン。母の怪我で故郷へ戻った彼女は、やがて修道僧と許されざる恋に落ち・・・。 陸に上がった人魚が聖女になったという伝説の残る、島を舞台に繰り広げられるラブ・ストーリーでした。 「リリィ、はちみつ色の夏」で知られる作家スー・モンク・キッドの小説を映画化したもので、「セルラー」などの人気女優キム・ベイシンガーが、ある理由から故郷に背を向けていたヒロインを好演していました。監督は「ビル・ポーターの鞄」のスティーヴン・シャクター。
娘と夫ヒュー(ブルース・グリーンウッド)に囲まれ、何不自由なく暮らす40代のジェシー(キム・ベイシンガー)は、一方で人生に疲れを感じていた。そんな矢先、母が指を切断する大怪我をしたとの知らせが入り、ジェシーは父の死後遠ざかっていた故郷の島を訪れる。実家に戻ったジェシーは、母が自ら指を切り落としたことを知り、理由を問いただすが、彼女は何も話そうとしない。やがて、母の面倒を見てくれていた修道僧トマス神父(アレックス・カーター)と知り合った彼女は、次第に彼に惹かれてゆく。
夫との生活に倦怠感を抱く40代の女性が、故郷の島で修道僧と許されぬ恋に落ちたことから、人生を見つめ直していく姿を追っていきます。 オスカー女優のキム・ベイシンガーの好演が光りますが、彼女の夫役のブルース・グリーンウッドの熱演も良かったです、修道士のアレックス・カーターも何時ものCSI:科学捜査班の刑事とは一味違った感じで良かったです。 キム・ベイシンガー演じるジェシーは夫のブルース・グリーンウッド演じるヒューを、愛してはいますがどこか倦怠感を抱く毎日を送っていました。そんなある日母親のネルが指を切り落としたと聞いて、生まれ故郷の小さな島に帰郷します。 夫との関係を見つめ直すいい機会だと考えたジェシーですが、島の聖セナラ修道院の若いウィット・トマス神父と恋に墜ちてしまいます。そんな時にまた母ネルが指を切り落としてしまい・・・。 キム・ベイシンガーは50歳を越えているのに凄く綺麗で気品のある女性ですね、ラブ・シーンなんかもとても似合っていてとてもオーバー50とは思えない、“いい女フェロモン”をプンプン出していました。 倦怠期の夫ヒューと修道士のウィットに母親ネルの間で揺れ動く、賢明だけどちょっと弱い部分も持っている女性のジェシーを熱演していました、単なる『ソープディッシュ(メロ・ドラマ)』ではない何かを持った映画でした。 娘のディーに島の友達のキャットにその娘で知的障害だけど、予知能力に犬マックスの言葉が分かるベニーにヘプジバ、何時も麦わら帽子ドミニク神父にシェムに亡くなった父など、魅力溢れる登場人物も良かったです。 ヘプシバが島で生まれた者(ここで生まれた者)を“ビンヤ”、よそ者を“コムヤ”と呼ぶんですがそれも面白かったです。“どんな入れ物にも、必ず底がある”というセリフも魅力的、いったい母親のネル達にはどんな秘密があるのか、修道士ウィットと夫ヒューとの間で揺れるジェシーの心は、『聖セナラ』の人魚の祈りはどうなるのでしょうか。 もう少し『人魚の祈り』を分かりやすくして、その効果や御利益を大きくしたら良かったなとも思いました、ですが面白かったです、お勧めします。 |