 | 13人で行われる集団ロシアン・ルーレットを、ギャンブルの対象とするアンダーグラウンドの邪悪なゲームに巻き込まれた一人の青年の運命を、全編モノクロによる硬質なタッチで緊張感いっぱいに描いた衝撃のインディーズ・ムービーです。監督はグルジア出身の新人ゲラ・バブルアニ、ヴェネチア映画祭やサンダンス映画祭で話題を集め、監督自身の手によるハリウッドでのリメイクも決定したそうです。 タイトルの“ザメッティ”とは、数字の13を意味するグルジア語だそうです。
グルジア移民の22歳の青年セバスチャン(ギオルギ・バブルアニ)。ある日彼は、仕事先の家主ジャン=フランソワ・ゴドン(フィリップ・パッソン)が大金を手にする方法があると吹聴しているのを耳にする。もうじき連絡の手紙が届くというのだ。しかしその男は不運にも急死してしまい、彼宛の手紙をセバスチャンが横取りする。封筒の中には、パリ行きのチケット。意を決してパリへと向かったセバスチャンは、何者かに導かれるまま、暗い森の奥に佇む不気味な屋敷へと辿り着く。しかしそこには、思いも寄らぬ運命が待ち受けていた。なんと彼は、13人のプレイヤーが一斉に引き金を引く集団ロシアン・ルーレットに参加させられてしまったのだ。そしてその周囲は、プレイヤーの生死に大金を賭け、ドス黒い欲望の固まりと化したギャンブラーたちの狂気に満ちた眼光で埋め尽くされていた…。
フランスとグルジア合作のサスペンス映画でした、13人で行われる“ロシアンルーレット”のゲームに巻き込まれた、青年セバスチャンの運命を退廃した世界観とともにモノクロで描き出した作品でした。 新鋭のゲラ・バブルアニ監督の手腕がキラリと光るモノクロ作品でした、携帯電話は出てくるし車も新しいワーゲンなんかが出てきて舞台は現代なんですが、全体をモノクロで見せることで何か昔のフランスのフィルム・ノワールを見ているようでした。フランスとグルジア合作の映画というのも新鮮に写りました、あまりグルジアというのは良く知りませんからね、良く知っているのは黒海くらいですものね。 主人公のセバスチャンは真面目な屋根修繕職人ですが、雇い主のジャン・フランソワと関わって大金を手に出来るかもしれないと聞いてしまいます、ジャン・フランソワに“ある手紙”が届いたのですがジャンは麻薬の討ちすぎで死んでしまいます、ハンスは謎の手紙を夫人に内緒で奪って彼になりすましてある“ゲーム”をしにいきます。 何も知らぬままに手紙や男の指示通りにするセバスチャンでしたが、彼がやろうとしていたそのゲームは帰ることも出来なければ拒むことも出来ない、後戻りすることの出来ない危険なゲームでした。 傑作『ディア・ハンター』でもロシアン・ルーレットは出てきますが、この映画のロシアン・ルーレットは自分で無く隣りの人間の頭を狙って拳銃を構えます、そして裸電球の点灯を合図に一斉に引き金をひきますが、中には引き金をひくのが遅れて先に撃たれて死んでしまう者もいます。 セバスチャンはなんとかこの場から逃げ出そうとしますがそれも出来ず、あれよあれよという間に4人の決勝まで生き残ってしまいます、決勝は4人が二組に別れて2人が向かい合ってどちらかが死ぬまで行われます、果たしてセバスチャンはこの先どうなるのでしょうか? 警察もこの危険なゲームを取り締まろうと、なんとかジャン・フランソワに成り代わったセバスチャンを追って情報を集めますが、なかなか上手くいきません。 モノクロの画面にすることによりいっそう迫力があって、臨場感溢れる映画に仕上がっていました、ただロシアン・ルーレットでお金と命を賭けてやっているだけなのに、凄い緊張感を醸し出している作品でした、お勧めします。 |