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「あなたになら言える秘密のこと」をお勧めします。

才女の、サラ・ポーリー主演です。

画像:anataninara6411894.jpg説明
「死ぬまでにしたい10のこと」のイザベル・コイシェ監督が、再びサラ・ポーリーを主演に迎えて描く一人の女性の痛みと再生の物語です。海洋に浮かぶ油田掘削所を舞台に、心に深い傷を負い夢や希望も持たず静かに生きる孤独な女性が、事故で一時的に視力を失った男性の介護を通じて、少しずつ固く閉ざした心を開いていく姿を美しく静謐な映像で綴っていきます。彼女の頑に内に閉ざした心を、ユーモラスな受け答えでそっとときほぐしていく相手役、ティム・ロビンスの温かくて人間味あふれる好演もぜひお見逃しなく・・・・。


 過去の苦難の記憶を胸に秘め、誰とも言葉を交わすことなくひたすら孤独な毎日を送る若い女性、ハンナ(サラ・ポーリー)。工場でも黙々と仕事をこなす彼女だったが、ある日、働き過ぎが問題となり、無理やり1ヵ月の休暇を取らされてしまう。宛てもなく長距離バスに乗り込んだ彼女は、ひょんなことから海の真ん中に浮かぶ油田掘削所でジョゼフ(ティム・ロビンス)という男性の看護をして過ごすことに。彼は事故でひどい火傷を負い、一時的に視力を失っていた。それでもユーモアを失わないジョゼフは彼女に名前や出身地を質問するが、ハンナは決して答えようとしない。この油田掘削所で働いている男たちは、それぞれに事情を抱えた者たちばかり。閉ざされた空間でそんな風変わりな男たちと生活を共にするうち、ハンナも少しずつ人間らしい感情を取り戻していくが…。


『死ぬまでにしたい10のこと』のイザベル・コヘットとサラ・ポリーのコンビが、ティム・ロビンスを迎えて再び手を組んで贈る愛と再生の物語でした、『死ぬまでにしたい10のこと』がイマイチだった僕には見る前は、期待と不安の入り混じった作品になりました。
心身ともに深い傷を負って黙々と働くだけの女性ハンナに、1ヶ月の休暇が与えられますが彼女は休暇中に油田の掘削所の重傷患者の看病をすることになります、孤独なヒロインが抱え込んでいる自分の過去と向き合い始めます。
『ドーン・オブ・ザ・デッド』のサラ・ポリーが、誰にも言えない秘密を抱えている耳の不自由な女性ハンナを熱演していました、休みもロクに取らずに働いているために工事長から直々に1ヶ月間の休暇を取らされるという設定も笑えました。誰とも話さずに食事は白米とリンゴだけで固形石鹸を持ち歩いて執拗に手を洗うというのも不思議でしたし、孤独で編んだ編み物もその場で捨ててしまうようなヒロインでした。
サラ・ポリーは監督としても才能があることを『アウェイ・フロム・ハー 君を想う』で示してくれましたが、ティム・ロビンス同様俳優としても才能溢れた女性さんですよね、とてもしっかりとした印象があるので今回のハンナもきっと何かあると感じさせてくれました。
工場長に休暇を取らされたハンナがその旅行先で看護師を探していた油田の者に、自ら志願して重症の火傷を負ったジョゼフの看護師を志願します、このヒロイン・ハンナの行動は意外な感じを受けましたが、無理矢理休暇を取らされたので旅慣れていないハンナにとってはいい時間潰しだったのかなぁとも思いました。
油田の掘削場の被害者のティム・ロビンス演じるジョゼフは、優しくハンナに接していくうちにやがてハンナの心の氷を溶かして行くことになります、ジョゼフ自身も暗い過去があり火傷の大怪我とその暗い過去の後遺症で苦しんでいます、そんなジョゼフの優しさがハンナの心を動かしていきます。
そしてハンナの口から意外な過去が話されますがそれは僕もビックリする程のハンナの過去でした、その痛みはジョゼフもびっくりする程の痛みでしたがやがてジョゼフが病院に移ることになります、ハンナはジョゼフについていくと約束しますがハンナは病院に向かうヘリに乗らず、ジョゼフ一人が病院に向かうことになりハンナはその場を黙って後にします、果たしてこの後ハンナとジョゼフのこの先はどうなるのでしょうか?
他の登場人物もとても魅力的でした、ジョゼフ曰わく“一流のコック”の陽気なサイモンに橋脚に当たる波の数を数える貝殻集めの科学者のマーティン、ハンナを優しい眼差しで見つめるカウンセラーに『アウェイ・フロム・ハー』のジュリー・クリスティがあたっていました。
ジョゼフの強引だけれど頑なまでの優しさが印象的でした、戦争はやはり絶対にどんなことがあってもしてはいけませんね、『死ぬまでにしたい10のこと』よりもはるかに良かったです、素敵なラストもこの映画にピッタリでした、お勧めします。