 | 新鋭イーライ・ロス監督が低予算で撮り上げ評判を呼んだスプラッタ・ホラーです。森の中の小屋でパーティを開いていた5人の若者が、謎のウィルスの恐怖に怯え互いに感染を恐れて、恐慌をきたしていく姿を残酷描写満載で描いています。 出演は「ボーイ・ミーツ・ワールド」のライダー・ストロングに「デス・プルーフ in グラインドハウス」のジョーダン・ラッド、「TATARI タタリ/呪いの館」のセリナ・ヴィンセントなどです。
学生生活も終りを迎えた5人の若者ポール(ライダー・ストロング)、カレン(ジョーダン・ラッド)、ジェフ(ジョーイ・カーン)、マーシー(セリナ・ヴィンセント)、バート(ジェームズ・デベロ)。最後の夏休み、彼らは好き勝手にハメをはずして楽しむため、森の奥のキャビンを借りて過ごすことに。さっそく、酒とドラッグとセックス三昧で盛り上がる彼ら。ところがそこへ、血だらけの男が突然乱入してくる。5人はパニックになりながらも、なんとか男を追い払い、平静を取り戻す。しかし翌日、カレンの身体に異変が生じる。皮膚が膨れ上がり、やがて爛れて血があふれ出てきたのだ。症状が悪化するにつれ、仲間たちの間に、この謎の病気は伝染するのでは、との恐怖が広がる…。
この頃のイーライ・ロス監督のキャッチコピーは“デヴィッド・リンチの愛弟子”だったんですよね、今考えるとリンチとイーライ・ロスはあんまり繋がりのある作風には思えないんですけど、この『キャビン・フィーバー』は見たつもりでいましたがまだだったみたいでした。 この『キャビン・フィーバー』はイーライ・ロスの監督デビュー作になるんですよね、学生生活最後の夏休みを楽しみに来ていた5人の若者たちが、血だらけの男がキャビンに乱入してきたことで全てが一変し、キャビンの仲間達は互いに殺し合うあうようになるというお話です。 2002年の映画で今流行りの“感染モノ”の代表的な作品ですかね、次に感染するのは自分かもしれないという恐怖で疑心暗鬼に陥った若者たちは、お互いに刃を向けるようになるんですが『シー・ノー・イーヴル』でも真っ先に殺されるような奴が生き残ったって言いましたが、この『キャビン・フィーバー』でも一番いい子に思えたカレンという女の子が最初の犠牲者になります。 カレンが得体の知れない病気のようなものに感染して、ポールにバートにマーシーにジェフの4人は互いに互いの感染を疑い始めます、やがて車を直して出発することになりますが今度はバートが感染してしまい・・・。 『キャビン・フィーバー』とは“僻地や狭い空間で生じる異常過敏症”や、“いらだち・疎外感・人恋しさ・密室恐怖症”という意味があるそうです、全体的に短いのもあると思いますが何か物足りないというか、もう一工夫欲しかったような気がします。 やけに村の人達が閉鎖的で素っ気ない人ばかりだと思ったら、いきなり『下の息子はこの病気が感染して亡くした、この息子を守るために病気の感染源は断つ』と銃で撃ってきたり、感染した女の子たちを感染しておかしくなった犬に喰い殺されたり、後半をもう少し考えて丁寧に描いていたら面白くなったんじゃないかと思いました。 最近の若者たちはこんな風に仲間を裏切るのかとか、最後に生き残った“セックスした女の子を簡単に見殺しにした”ジェフが、ホラー映画の典型的なラストを迎えたもなかなか面白かったかな、お勧めします。 |