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「ブラッド・ダイヤモンド」をお勧めします。

噂通りの、素晴らしい映画でした。

画像:blooddiamond6437.jpg説明
内戦の続くアフリカ奥地を舞台に、隠された巨大なピンク・ダイヤモンドをめぐって3人の男女の運命が交錯する社会派アドベンチャー・アクション・ドラマです。
監督は「ラスト サムライ」のエドワード・ズウィック、出演は、ダイヤの密売人にレオナルド・ディカプリオ、ダイヤ密輸の実態を追う女性ジャーナリストにジェニファー・コネリー、そしてダイヤ採掘に駆り出された愚直な男にジャイモン・フンスウが当たっています。ダイヤモンド業界の暗部に光を当てた内容が、社会的な議論をも引き起こした衝撃作品です。


 激しい内戦が続く90年代のアフリカ、シエラレオネ。愛する家族とつましくも満ち足りた生活を送る漁師ソロモン(ジャイモン・フンスウ)。しかしある日、反政府軍RUFが襲撃、ソロモンは家族と引き離され、ダイヤモンド採掘場で強制労働を強いられる。そんな中、彼は大粒のピンク・ダイヤを発見、その直後に起きた政府軍による来襲の混乱に紛れてダイヤを秘密の場所に隠すのだった。一方、ダイヤの密輸に手を染める元傭兵ダニー(レオナルド・ディカプリオ)はある時、密輸に失敗し投獄される羽目に。すると、その刑務所にはソロモンも収容されていた。そして、彼が巨大ピンク・ダイヤを見つけ隠していることを耳にしたダニーは釈放後、ソロモンも出所させ、家族捜しに協力する代わりにダイヤの隠し場所を明かすよう迫る。また、アメリカ人女性ジャーナリスト、マディー(ジェニファー・コネリー)に対しても、彼女が追っている武装組織の資金源“ブラッド・ダイヤモンド”の実態に関する情報をエサに、自分たちへの協力を取り付ける。こうして3人は、それぞれの思惑を胸に、ピンク・ダイヤを目指す危険な道へと進んで行くのだが…。


レオナルド・ディカちゃんがオスカー候補となったことでも有名になった、“ブラッド・ダイヤモンド=紛争ダイヤモンド”を描いた社会派のサスペンス・アクションでした、評判通りの素晴らしい出来映えでした。
激しい内乱が続く90年代のアフリカで、反政府組織の武器調達の資金源となる“紛争ダイヤ=ブラッド・ダイヤモンド”、この国際問題を背景に巨大ダイヤをめぐる戦いに身を投じる、採掘人に密売人にジャーナリストの男女3人の姿を通して描き出されていました。
たまに娯楽作品にも出演しますが何時も素晴らしい演技を見せてくれる、採掘人ソロモン・バンディーを演じたジャイモン・フンスウ。密売人のアーチャーをレオナルド・ディカプリオが演じてますが、ディカちゃんは本当に演技が上手くなりましたね、自分が捌くブラッド・ダイヤモンドが武器購入・民族紛争に使われると知りながらも、“密売人”という仕事から抜け出せないアーチャーを文字通り熱演していました。後半の演技も素晴らしくて、特にラストはああいう展開になると思っていましたが、ジャック・ニコルソンを思わせるような演技が印象に残りました。
その情報を追う熱血漢のジャーナリストのマディー・ボウエンに、美しいジェニファー・コネリーが当たっていますがジェニファーもオスカーを獲得した余裕からなのか、素晴らしくて肩の力の抜けた演技を見せてくれましたね。特に彼女もラストのシーンの美しさは際だっていましたね、悲哀も含んだ物憂げなジェニファーの表情も印象に残りました。
そういえばジェニファーがこの映画のプロモーションで来日した時に、『私もこの“ブラッド・ダイヤモンド”に出演するまでは、ダイヤモンドの裏にこんな悲劇があるとは思わなかった』と、インタビューに応えていました。
ソロモン・バンディーが価値の高い“ピンク・ダイヤモンド”を発見して隠したことからこの物語は始まっていきますが、アーチャーは『家族を探してやる』と言ってバンディーに取り入り、RUFが侵略してきたこともあり彼と行動を共にします。その頃バンディーの愛する息子ディアは無理やりRUFの隊長に任命されて、幼いその手に銃を握らされて戦争の真っ只中に放り込まれていました。
マディーがクリントン大統領の不倫騒動を報じるCNNのニュースを見て、『世界が混乱している時に大統領の不倫で大騒ぎ』と嘆く場面が出てきましたが、僕らは本当に情報を選択していかないといけない立場なんだなぁと痛感させられました。
僕らは流通している“ダイヤモンド”にこういった背景があることを知らなければいけない責任があり、ジャーナリストはこういう“アフリカの実状がある”ことを世界の皆に知せなければいけない責任があるでしょう、そしてハリウッドはこういう映画を創り続けなければいけない責任がある、そんなことを僕らは知る必要があるとこの映画は教えてくれた気がしました。
ラストの問いかけも胸に残りましたし予想以上に素晴らしい映画でした、真実を知って行動するためにもこの映画は観るべきだと思いました、お勧めするというよりも見なければいけない映画だと思います。