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「叫」をお勧めします。

相変わらず最近元気のいい、ジャパニーズ・ホラーです。

画像:sakebi.jpg説明
これまで「CURE キュア」「回路」など数々のホラー映画やサスペンス映画を放ち、日本のみならず海外でも高い評価を得ている黒沢清監督。彼が本作ではさらに謎解きの要素を加味して、本格的なミステリー・ホラーに挑戦しました。謎が謎を呼ぶ緻密な物語を構築し、黒沢映画の集大成?ともいえるスリリングな一作に仕立て上げています。
主演は、これで同監督とのコンビ作が7本目となる役所広司さん。小西真奈美さんに葉月里緒奈、伊原剛志さんにオダギリジョーらの豪華で多彩な助演陣も見ものでしたね。


刑事・吉岡(役所広司)の周囲で、不可解な殺人事件がたて続けに発生。ところが事件の謎を追ううち、吉岡は、もしかすると自分が犯人なのではないかという奇妙な不安と苦悩に駆られるようになる。記憶も曖昧で自らの潔白に自信が持てない彼は、精神科医の高木(オダギリジョー)に助けを求めるが、依然として不安は解消しない。そんなある日、自らの記憶を確かめるべく、第一の殺人現場を訪れた吉岡は、「あなただけ許します…」という不気味な叫び声を耳にする。


奇怪な連続殺人事件を追う刑事が『自分が犯人なのではないか』という悪夢に苛まれて、事件の裏に隠された意外な過去が明らかになり、刑事が耳にする不気味な叫び声の正体とは・・・?
俊英の黒沢清監督によるホラー映画で、恐怖の演出に本格的な謎解き要素を絡めたミステリーに仕上がっていました、ちょっと苦言をさせてもらえば最近はこういうホラーが増えてきたから、もっと新鮮で驚くようなホラーをつくってもらいたいです。
口の中から海水が発見された女性の不思議な遺体が上がります、液状化現象を取り入れていてこれも『エコ・ホラー』なのかと思いました、同じような事件が起こって行き関連性はなんなのかと皆は考え始めますが・・・。
刑事の役所広司演じる吉岡が死体の見つかった場所で、自分の持っていた服に付いていたのと同じようなボタンを現場で発見します、不思議な“叫び声”を聞いた吉岡はやがて犯人は自分なのではないかと思い始めます。
証拠品のボタンから自分の指紋が見つかって女性の死体に向かって、『誰なんだお前は』と問いかける役所広司の狂気じみた演技が素晴らしかったです、息子を殺した犯人の佐久間に狂ったように襲いかかる吉岡も精神を病んだ男みたいで良かった。吉岡の恋人春江を小西真奈美さんが可愛らしく演じていました、吉岡の同僚の宮地を演じた伊原剛志さんもカッコ良かったです。『硫黄島からの手紙』のバロン西役もカッコ良かったですが、ドンドン日本の俳優さんがハリウッドや世界に羽ばたいていって欲しいですね。
オダジョーのカウンセラー役も面白かったですが、葉月里緒菜も綺麗なんだけど怖い被害者を演じていましたね、ナカナカ出てこないと思っていたら最初から出てましたね〜、途中の登場シーンも怖かったです。
実は殺害現場や吉岡の住んでいる地域には昔施設が立っていて、それが今回の連続殺人事件や不思議な“叫び”にも関係してくるのですが、きっと皆さんも思い付かなかったラストになると思いますが赤い服の女がラストまで引っ張ってくれます。
最初にも書きましたが最近こういうホラーが増えてきましたね、もっとスッキリとした恐いホラーを見たいこの頃です、お勧めします。