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「手紙」をお勧めします。

これは、かなり良かったです。

画像:tegamiEPL.jpg説明
「容疑者Xの献身」で直木賞を受賞した人気ミステリー作家・東野圭吾が、犯罪加害者の家族という重いテーマを正面から扱った同名小説を映画化した作品でした。
殺人者の弟という偏見から人生を狂わされてゆく青年を、映画版「電車男」やTVドラマ「ウォーター・ボーイズ」の山田孝之が熱演していました。加え、「逆境ナイン」などの玉山鉄二が服役囚の兄に扮していて、場面は少ないながら抑えた演技で存在感を見せていました。主人公に愛を捧げる健気なヒロインに扮した「パッチギ!」や「間宮兄弟」の沢尻エリカちゃんの好演も見逃せません。監督はドラマ「ビューティフルライフ ふたりでいた日々」などのTV演出家・生野慈朗です。


川崎のリサイクル工場で働く青年、武島直貴(山田孝之)。積極的に話しかけてくる食堂の配膳係・由美子(沢尻エリカ)とも打ち解けることなく、人目を避けて生きる彼にはある秘密があった。兄・剛志(玉山鉄二)は、弟を大学に行かせるため学費欲しさに盗みに入った邸宅で、誤って人を殺してしまったのだ。無期懲役で服役している剛志からは毎月手紙が届いていた。しかし、それが元でリサイクル工場でも兄のことが明るみとなると、直貴は工場を後にする。やがて、大好きなお笑いでプロになる夢を抱き、徐々に頭角を現していく直貴だったが…。


僕は読んでいないのですが東野圭吾の同名小説を映画化したものだそうです、山田孝之に玉山鉄二に沢尻エリカちゃん共演で贈る感動作とのことでした。
殺人罪で服役中の兄剛志と殺人犯の家族という偏見から人生を狂わされた弟直貴の、愛憎ときずなを2人のやり取りする手紙を軸に綴っていました。
玉山鉄二が強盗殺人を犯した兄剛志を、その弟で“殺人犯の弟”という偏見と闘う直貴を『テレビ版ウォーター・ボーイズ』の山田孝之が演じていて、その直貴に好意を寄せる由美子を沢尻エリカちゃんが可愛らしく演じてました、やっぱりエリカちゃんは演技がとても上手くて可愛らしかったです、『別に』なんて言ってファンを減らさないで欲しいです。
桜の舞い散る季節に桜の検印が押してある刑務所の兄からの手紙を読む、直樹のシーンから始まるのですがとても印象的でした。こういう場合ハリウッド映画だと軍隊の人間が愛する家族や恋人を救うために、正当防衛でつい殺人を犯すとか設定されているのですがこの玉山鉄二は弟を養うためとはいえ強盗に入って、つい相手が握ったハサミがもみ合った時に刺してしまった結果殺人を犯してしまいます。
確かにこういう時の関係ない加害者側の家族は、このような偏見だったり仕打ちを受けたりするんでしょうね、でも以前漫画かなにかで『会いたい人に会えないのも、罪を償うという事』というのを思い出して、こういう“罪”という認識の仕方は非常に良いと思いました。
田中要次さんが服役経験のある工場の先輩を好演していました、彼は大検を受ける勉強をしていて直貴に『簡単に夢を諦めるなよ』と助言されます、それと『刑務所は本当に淋しいから、兄貴に手紙を書いてやれよ』とも助言します、流石に経験者役なので説得力がありました。
直貴は“お笑い”を目指して工場を辞めて夢に向かって歩き出します、吹石一恵ちゃん演じる恋人朝美も出来てお笑いコンビ“テラタケ”も軌道に乗り始めますが、ネットに彼の過去や家族に犯罪者がいる事が知られてしまい・・・。
色々ありましたが僕が“罪”について思っている事が、直貴の会社の会長の平野さんの口から発せられた言葉と近いものがありました、それを兄の剛志に伝える直貴の姿にもグッとくるものがありました。
音楽の選び方や使い方も良かったしラストに直貴と妻の由美子、ミキが桜並木を手を繋ぎながら歩いていくシーンもオープニングに合わせた感じで素晴らしかったです、でも最後の曲のセレクトは反則だと思いました。
お勧めします、今年観た作品の中でもトップの作品でした、手紙を通して“罪を償うとはなんなのか”という事を考えさせてくれる映画でした。