 | 知り合いの結婚パーティで10年ぶりに再会したかつての恋人同士が、互いの近況を語り合いながら、戸惑いつつも次第に若い頃の感情を甦らせていくさまを、男と女の違いを浮き立たせつつしっとりとした雰囲気で描いた大人のラブ・ストーリーです。画面を左右に分割したデュアル・フレームによるユニークな編集が全編で採用され、それぞれに男の視線と女の視線、あるいは現在と過去といった異なる映像が並列に映し出され、2人の揺れ動く心情を一層鮮明に表現する試みがなされています。 主演は「眺めのいい部屋」「鳩の翼」のヘレナ・ボナム=カーターと、「サンキュー・スモーキング」「ブラック・ダリア」のアーロン・エッカート。監督はこれが長編2作目のハンス・カノーザです。
NYマンハッタンのとあるホテルの結婚式場で催されていた結婚パーティに出席して顔を合わせた1組の男女が、ふとしたきっかけから会話を始める。女性の方(ヘレナ・ボナム=カーター)は、花嫁の付添人に急遽代役として起用されて式に参列したことを男性に打ち明け、一方、彼の方(アーロン・エッカート)はその花嫁の兄であることを物語る。それぞれバツイチの過去があり、女性のほうはいまや医者と再婚し、そして男性の方は、まだ大学を卒業して間もない若い女性ダンサーの恋人がいるという2人は、会話を交わすうちになんとなくウマがあって意気投合すると、同じホテルの上階に一夜の宿を取っていた女性の部屋へ一緒に向かうことになって…。
10年ぶりに再会した恋人同士が、戸惑いながらもかつての愛を蘇らせていくラブ・ロマンスです。 ティム・バートン監督夫人のヘレナ・ボナム=カーターと、『エリン・ブロコビッチ』のアーロン・エッカートが共演していて、全編2分割の画面を使い互いの心理を描いていくというのはもう珍しい手法ではありませんが、面白くてユニークな演出でしたし主演2人の会話も魅力的な映画でした。 スージーとダンの結婚式に花嫁の付添人としてやってきたヘレナ・ボナム=カーターは、『自分は7人目の付添人の代わりにきた、花嫁の親友じゃなくて数合わせで呼ばれた』と答えます、二人のやりとりで昔は恋人同士だったというのは分かりましたが、もっと聞いていくと結婚していたらしいということもわかります。 実は花嫁のスージーはアーロン・エッカートの妹で、ヘレナ・ボナム=カーターが『付添人が皆元夫の知り合いだから』と言ったのも納得がいって笑えました、この辺りは心憎い演出だなぁと思えました。 2人はアーロン・エッカートの恋人サラやヘレナ・ボナム=カーターの今の旦那さんで心臓医のジェフリーに、携帯電話で電話をかけるフリをするゲームをしたり、2人の過去の結婚について語ったり色々と話したりしますが、果たして2人はこれからどうなるのでしょうか。 二分割の画面にたまにインサートされる若い時の2人も、とても若くて可愛らしくて似ていて良かったです、ヘレナ・ボナム=カーターに引っ張られるようにアーロン・エッカートの演技も、とても泥臭くて上手い演技をしていたように見えました。 この映画を最後まで見て気が付いたのですが、2人はお互いを最後まで名前で呼ぶことがありませんでしたね、だから2人の名前も映画を見ただけでは分からないんですよね、主役の男女がお互いの名前を最後まで言わない映画もとても珍しいですよね。 同じタクシーに乗って視線を合わせて乗っているようなラストも凄く印象に残りました、台詞もウィットに富んでいて短いモノでしたが心に残るものでした、お勧めします。
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