 | イタリア映画発祥の地トリノ。そのトリノにある国立映画博物館に夜警として住みつき、館内所蔵の映画をひとりでこっそり鑑賞したり、手持ちのカメラを回すなど日夜、映画漬けの生活を送る孤独な映画青年。 その映画青年を物語の主人公に据えて、デヴィデ・フェラーリオ監督が全編映画愛に満ち溢れた魅力的な世界を構築しました。「突然炎のごとく」をはじめ、さまざまな名作の引用、オマージュが随所にちりばめられているのも映画好きにはたまらない、小作ですが愛すべき一作となっていました。
イタリア、トリノの映画博物館の中の小部屋に住み込み、夜警の仕事をしている無口な青年マルティーノ(ジョルジョ・パソッティ)。他人とほとんど関わることなく、大好きな映画に囲まれ、ひとりだけの世界に生きる毎日。そんなある日、仕事先でトラブルを起こした女性アマンダ(フランチェスカ・イナウディ)が博物館に逃げ込んできた。事情も聞かぬまま彼女を受け入れるマルティーノ。はじめは、極端にシャイなマルティーノに戸惑うアマンダだったが、2人は次第に打ち解けていく。しかし、ほどなくアマンダの問題は解決し、彼女は恋人アンジェロ(ファビオ・トロイアーノ)のもとへと帰ってしまう…。
イタリアの映画発祥の地であるトリノの国立映画博物館を舞台に、映画漬けの生活を送る孤独な青年の恋を綴っていきます。 『突然炎のごとく』などの名作の引用や、名画に対するオマージュが至る所に登場していました。 主人公マルティーノは映画博物館の夜警をしていて、毎日直したカメラで映像を撮っては編集するという映画好きの青年、アマンダはファーストフードで働きながらもチラシ配りのバイトもして、不誠実な彼氏アンジェロがいながらもどこか物足りない毎日を送っていました。 アマンダがグダグダと煩いファーストフードの店長にポテトの油をかけるシーンには笑ってしまいましたが、それがもとでアマンダは逃げこんだ映画博物館でマルティーノと出会うことになります。 マルティーノにかくまってもらっていたアマンダも、やがてマルティーノが自分に抱く感情に気付いてマルティーノに恋をしていきますが、それにアンジェロも加わってきて話はアマンダの決定に委ねられますが彼女は“3人”で生きることを選びますが・・・。 やっぱりイタリアは絵になる街ですね、マルティーノも飛び抜けてカッコいいワケじゃないし、アマンダももの凄くキレイな身体をしていましたが飛び抜けて綺麗というワケでもありません、でもこれだけで恋愛映画になってしまうんですから凄いです。 どうしようもないアマンダの彼氏のアンジェロが変わっていくのも、美容室で働く占い好きのアマンダのルームメイトのバルバラ(フランチェスカ・ピコッツァ)も魅力的、ラストの『フィルムは終わっても、シネマは終わらない』のセリフも良かったです。 アマンダもバルバロも、本名は”フランチェスカ”、この作品以外には出演映画はないようです、絶世の美女ではありませんが二人ともとても魅力的な女性でした。 小作ですがなかなかの出来栄えでした、“シネマ”に対する愛情も伝わってきたように思います、お勧めします。 |