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「ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド」をお勧めします。

ドキュメンタリーっぽい、映画でした。

画像:brothers2.jpg説明
鬼才テリー・ギリアムが「ドン・キホーテ」の映画化に着手したものの、その途中であえなく挫折した様子を記録した、「ロスト・イン・ラ・マンチャ」で一躍注目を浴びたキース・フルトン&ルイス・ペペ。そんな2人の監督が本作でもコンビを組み、結合体双生児兄弟のロック・バンド“ザ・バンバン”なる虚構の存在を主人公にして、彼らの生涯を擬似ドキュメンタリーの手法でユニークに描いたものです。あのケン・ラッセル監督が本人として登場するのも映画ファンは要チェックです。


 1956年にこの世に誕生したトム(ハリー・トレッダウェイ)とバリー(ルーク・トレッダウェイ)のハウ兄弟は、お互いの体がひとつに繋がった結合双生児。イギリス東海岸の辺鄙な場所で人目を避けるようにしてひっそりと育てられた2人は、18歳の時、父親から興行主のザック(ハワード・アットフィールド)に売り飛ばされるハメとなる。ザックは2人に音楽の訓練を施した後、“ザ・バンバン”なるロック・バンドを結成させて2人を売り出すが、デビュー・ライブが評判となり、兄弟は一夜にしてスターダムにのし上がる。ところが、美しくて魅力的な女性記者のローラ(タニア・エメリー)が彼らを密着取材に訪れ、トムが彼女と恋に落ちたことから、次第に兄弟の間で亀裂が生じるようになって…。


体は1つで頭は2つという結合双生児の兄弟の虚構の存在を主人公に、ロック・バンドとして活躍した彼らの短い生涯を、疑似ドキュメンタリーの手法で描いた異色の作品でした。
ケン・ラッセル監督も実名で登場したりと疑似ドキュメンタリーっぽい作りで、本当のドキュメンタリーと間違えてしまうくらいに良く出来ていました、はじめに“これは疑似ドキュメンタリーである”と断りをいれないと勘違いする人がいると思います。
胸の所で繋がったバリーとトムの2人の結合双生児が世の中から隔離されるように“ヘッド(岬)”に住まわされます、大きくなってやがて自立のために父親がバンドをやらせようと2人に音楽を教えます、ギタリストとなったトムとヴォーカルのバリーは“ザ・バンバン”というバンドを作ってニックやポールらと活動していきます。
記者のローラがトムに恋してしまったり粗暴に見えるバリーが実は繊細で愛されたがっていたり、結合双生児は実は2人では無くて3人らしいと分かったりと、色々なドラマが用意されていました。
ローラ名義で誰かが外科医に『結合双生児の分離』について手紙を書いたことから、バリーやトムにローラ達の運命が次第に変わっていきますが、トムとバリーの運命はどうなるのでしょうか、結構見応えのある疑似ドキュメンタリーでした、お勧めします。