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「ドレスデン、運命の日」をお勧めします。

壮大なメロ・ドラマのようでした。

画像:dresden01.jpg説明
これまで第二次世界大戦に対してはナチスが行った戦争犯罪を踏まえて、おもに加害者の立場から歴史の検証と反省が進められてきたドイツですが、戦後60年を経てようやく少しずつ加害者・被害者の立場を越えて、戦争が引き起こす悲劇そのものに目を向ける気運も芽生え始めきたのだと思わされました。
この『ドレスデン、運命の日』はそうした流れの中、第二次世界大戦末期の“ドレスデン空襲”という悲劇を初めて真正面から取り上げ話題となった戦争叙事詩です。
イギリス軍による壮絶な空爆で、一夜にして廃墟と化したドレスデンの街を舞台に、婚約者がありながら敵国の負傷兵と恋に落ちるヒロインの波乱の運命を描きます。監督は「トンネル」のローランド・ズゾ・リヒター。



 第二次大戦末期の1945年1月。美しい文化都市ドレスデンにも戦火の脅威が迫っていた。父が営む病院で看護婦として働くアンナ(フェリシタス・ヴォール)は、次から次へと運ばれてくる患者の対応に追われながらも、恋人の外科部長アレクサンダー(ベンヤミン・サドラー)を献身的に支えていた。そんなある日、アンナは病院内に身を隠していた兵士ロバート(ジョン・ライト)と出会う。負傷している彼を脱走兵と勘違いしたアンナは、彼を匿いつつ傷の手当てをする。やがてロバートが憎むべきイギリス兵だと気づいたアンナだったが、思いがけず彼に心惹かれてしまうのだった。


45年の2月、連合軍の空爆により一夜にして廃墟となったドイツのドレスデン、この悲劇の街を舞台にしたドラマです。
婚約者がありながら敵英国兵に恋をした、女性看護師アンナの悲劇的な運命を描いています。
こういう戦争モノって『ナチス・ドイツ』や『ユダヤ人大虐殺』をテーマにしたものが多いですが、何時も悪者役のドイツの街ドレスデンを舞台にしたのも珍しいですね、ドイツではテレビ・ドラマとして放送されて1200万人が見たそうです。
空襲で街の75パーセントを焼かれたドレスデンだそうですが、こういう空襲はドイツが制空権をアメリカとイギリスに奪われたから起きるようになりましたよね、やはりこういう時に被害に遭うのは何もしていない民間人になってしまうんですね、逃亡兵や相手の負傷兵を匿っただけで殺されてしまうんですからね。
主人公の赤十字に勤める看護師の女性アンナを演じるフェリシタス・ヴォールが魅力的な女性看護師を熱演していました、イギリス兵を匿っていることがバレたら殺されてしまうというのに、強い女性のアンナは命を賭けてイギリスの負傷兵のロバートを匿っていました。
このフェリシタス・ヴォールは『スピード・キング』という映画でも主演していましたね、ドイツ産のガールズ・ムービーで結構面白かったので、ご覧になってみてください。
アンナとアレクサンダーの婚約式でアレクサンダーの目の前でアンナと踊るロバート、アンナに『不自由よりも悪いことは、自由だと思い込むこと』と言います、この言葉はアンナの心に焼き付いてラストの方にも出てきます。
やがて2人は引き裂かれてイギリス軍のドレスデン空爆が始まり、アンナやロバートに夫がユダヤ人の親友のマリアにアレクサンダーと、まるで最近の昼メロのように複雑な人間模様を見せます、彼女達の運命はどうなってしまうのでしょうか・・・、お勧めします。