 | 香港の傑作映画「インファナル・アフェア」(2002)を米国でリメイクした作品です。 鬼才マーティン・スコセッシ監督は、犯罪組織に潜入した警官と、警察に潜入した犯罪者を対峙させるという絶妙な基本設定を原作映画から借りつつ、アジア的な要素を排することで異なる印象に変えて賛否両論を呼びながらも、6度目のノミネートにして悲願のアカデミー監督賞に輝きました。 主演はレオナルド・ディカプリオとマット・デイモン、共演にジャック・ニコルソンやマーク・ウォールバーグ、マーティン・シーンなどそうそうたる顔ぶれでした。 ハリウッドの主役クラスがずらりと並んだ中、意外にも今回初めてスコセッシと組んだ名優、ジャック・ニコルソンの怪演が悔しいけど光っていた映画でした。
マサチューセッツ州ボストン。犯罪組織との繋がりを持つ自らの生い立ちと決別すべく警察官を志したビリー・コスティガン(レオナルド・ディカプリオ)。一方、マフィアのボス、コステロ(ジャック・ニコルソン)によって育てられ、スパイとなるべく警察に送り込まれたコリン・サリバン(マット・デイモン)。同じ警察学校に学んだ2人は、互いの存在を知らぬまま、共に優秀な成績で卒業する。やがて、コリンはマフィア撲滅の最前線に立つ特別捜査班に抜擢され、コステロを標的とした捜査活動に加わる。一方ビリーは、その優秀さを買われ、マフィアを内部から突き崩すべくコステロのもとへ潜入するという極秘任務を命じられるのだった。こうして、それぞれに緊張の二重生活を送るビリーとコリンだったが、ついに警察、マフィア双方ともに内通者の存在をかぎつけ、いよいよ2人は窮地に追い込まれていく…。
香港ノワールの傑作『インファナル・アフェア』のリメイクで、6度目のノミネートで念願のオスカーの監督賞を獲得した作品です、ルーカスとスピルバーグがプレゼンターだったので、『間違いないな』と確信したのを覚えています。 警察とマフィアにそれぞれ潜入したレオナルド・ディカプリオ演じるビリーとマット・デイモン演じるサリバンの、男2人の激突をスリリングに映し出した作品です、ジャック・ニコルソンが意外にもスコセッシと初仕事だったとはビックリしました。監督賞以外にも作品賞など4部門に輝きましたね、スコセッシには『タクシー・ドライバー』であげておくべきだったと思います、残念ながら僕は本家の『インファナル・アフェア』を観ていないので早く観なくてはと思っています、録画する日を間違えたもので・・・・。 いきなりジャック・ニコルソン演じるコステロのナレーションから始まります、『誰も与えてくれない、自分で欲しい物は奪え』とマット・デイモン扮するサリバンに教え、サリバンはコステロの手下となって警官として警察に潜入します。 レオ様扮するウィリアムは素性を隠して“ビリー”となってコステロの率いるマフィアに潜入しますが、潜入するために怪しまれないように刑務所にまで入ります、マーティン・シーン演じるクィーンナン警部とマーク・ウォルバーグ演じるティグナムが“ビリー”の唯一の味方となってサポートしますが、マーク・ウォルバーグもアイドルからすっかり名優になりましたね。 最近スコセッシはデ・ニーロとパッタリ組まなくなったので、ちょっとデ・ニーロ×スコセッシファンには寂しいですが、この『ディパーテッド』は過去の『アビエイター』や『ギャング・オブ・ニューヨーク』よりも素晴らしかったです、画面を通して緊張感がビンビンに伝わってきました。 デ・ニーロの替わりにニコルソンを使ったのは正確でしたね、デ・ニーロの“フランク”も見てみたかった気もしますが、このオジサンの存在感と威圧感は凄まじいものがありました。 コリン・サリバンがクイーンナン警部をだしに“ネズミ”のビリーを見つけるシーンから、怒涛のようにたたみかける後半は画面に釘付けでした、二転三転するラストまで興奮のしっぱなしでした、スコセッシ監督の最高傑作ではないですかね、あえて言いませんが僕の予想は裏切られっぱなしでした。 お勧めします、オスカーノ作品賞と監督賞をダブルで獲得しただけのことはありました、素晴らしいサスペンスになっていたと思います、ディカちゃんにマット最高でした。 |