 | 人生の転機を迎えた中年男がふと興味を惹かれて通い出したダンス教室で新たな生きがいを見出すといえば、「Shall we ダンス?」が記憶に新しいところですね。 本作「愛されるために、ここにいる」も多少それに似ているように感じましたが、ダンスに対する情熱というより、主役カップルの揺れ動く恋心をタンゴの調べに乗せて切なく情感豊かに描く恋愛ドラマ仕立ては、やはりフランス映画ならではだなぁと感心させられました。 本国では“小さな宝石”と絶賛され、半年以上に及ぶ異例のロングラン・ヒットを記録したそうです。 主演は「読書する女」のパトリック・シェネ、共演に「灯台守の恋」「潜水服は蝶の夢を見る」のアンヌ・コンシニ。監督はこれが長編2作目の新鋭ステファヌ・ブリゼ。
50歳を迎えたジャン=クロード(パトリック・シェネ)は、長年務めてきた裁判所の執行官という憎まれ仕事にも嫌気がさし、高齢の父や別れた妻との間の息子との関係にも問題を抱え、人生に疲れ果てていた。ある日、医者から運動を勧められたジャン=クロードは、以前から気になっていたタンゴ教室に通ってみることに。彼はそこでタンゴを習う若い女性フランソワーズ(アンヌ・コンシニ)と出会う。やがてレッスンを通じて次第に打ち解け合い、互いの気持ちが近づいていくのを感じる2人だったが…。
父親の介護と仕事の人生に疲れたバツイチの中年男性と、結婚を控えた若い女性がダンス教室で出会い心を通わせるようになりますが・・・、というお話しでした。 大人の揺れる恋心をタンゴの調べに乗せて、情感豊かに描いた恋愛ドラマは本国のフランスでは“小さな宝石”と絶賛されて、ロングランヒットを記録したそうです。タンゴというのは本当に情熱的ですし、身体を密着して激しく躍るものなのでこういうお話にはピッタリのテーマだと思いました。 やっぱりこのストーリー展開と内容を聞くと『シャル・ウィ・ダンス』を思い浮かべてしまいます、この『愛されるために、ここにいる』は情熱的なタンゴの調べに乗せて、結婚を控えた若い女性フランソワーズと、父親の介護や仕事に追われるジャン=クロードが“タンゴ”というダンスを通して、次第に心を通わせて行くようになるというお話しでした、『シャル・ウィ・ダンス』とは少し違ったお話しだったかな? フランソワーズが結婚を控えていると初めて知らされたジャン=クロードは、それまでためていた感情を爆発させて父親や仕事、息子に対して凄く吹っ切れたように接するようになります、そして今まで見えなかったモノや事が見えてくるようにもなりました。 ジャン=クロードがフランソワーズに贈ろうと香水を選ぶシーンで、ジャン=クロードが気に入った香水の名前が“激しい情熱”だったので、“砂の薔薇”にという香水に替えて貰うシーンが笑えました。 フランソワーズのアンヌ・コンシニがキレイでした、「灯台守の恋」は丁度これから観る作品ですし、「潜水服は蝶の夢を見る」にも出ているみたいなのでとても観るのが楽しみです。 ラストも余計なシーンは見せないで、必要なところだけを観客の僕等に見せてくれた所も良かったですかね、確かに少し『シャル・ウィ・ダンス』と似たところもありましたが"タンゴ"の情熱はズルいですね、“小さな宝石”かどうかはわかりませんがいい映画だったと思いました、お勧めします。 |