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「ダーウィンの悪夢」をお勧めします。

衝撃のドキュメンタリーです。

画像:darwin02.jpg説明
アフリカの淡水湖に放たれた外来種の肉食魚、ナイルパーチ。その魚の異常繁殖が地元経済に一見にわか景気をもたらす一方で、実はむしろ逆に経済格差の拡大や貧困、自然破壊、エイズ、ドラッグ等々、深刻な社会問題を招き寄せている実態を、赤裸々なタッチで激写していました。
世界中を巻き込んで邁進する非情なグローバル経済が生み出す、文字通り“弱肉強食”の地獄世界を眼前につきつけてみせ、観る者誰しもを震撼・戦慄させずにはいられないつくりになっています。


 タンザニア、ケニア、ウガンダの3カ国に囲まれたアフリカ最大の湖、ヴィクトリア湖。かつては多様な生物の宝庫であったことから“ダーウィンの箱庭”とも呼ばれていた同湖だったが、半世紀ほど前、そこへ外来種の肉食魚ナイルパーチが放たれ、在来種の生物を駆逐しながら異常繁殖したことから、湖内の生態系は一変。そして白身のナイルパーチを加工して輸出する一大産業が発展し、地元の経済は潤うようになる一方で、今度は逆にそれがもたらした経済格差の大きなひずみから、貧困、売春、エイズ、ドラッグなどの深刻な社会問題が地域のいたるところで生じるようになり…。


アカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞にノミネートされた衝撃の話題作です、アフリカのヴィクトリア湖で始まった肉食魚ナイルパーチの食用養殖。それが湖内の生態系を壊すだけでなく、突然の資本主義の介入で周辺地域に経済格差や、モラルの低下を生み出していく様子を冷徹な視点で描いていました。
ヴィクトリア湖はその美しさやすんでいる生物達の多様性から、『ダーウィンの箱庭』と呼ばれていた巨大湖でした、そんなビクトリア湖に今から半世紀ほど前、外から持ち込まれた肉食の巨大魚“ナイルパーチ”が放たれました。
そのナイルパーチのお陰で湖周辺の村は潤って村人は共存するようになりましたが、ヴィクトリア湖にいた在来種は激減したそうです。
もっと難しくて分かりにくい内容なのかと思っていましたが、非常に分かりやすくてアフリカの於かれている実態が良くわかります、ヴィクトリア湖の被害は氷山の一角でもっと深い内容を明らかにしていました。
村人たちの証言は非常にわかりやすいものでした、彼らの暮らしがいかに荒んでいて大変なのかを伝える前半の部分も見応えありました、湖周辺で農業から漁師に仕事を変えたために、それが連鎖的に殺人やエイズやアルコール依存症など、皮肉な貧困を巻き起こしている悪の循環の連鎖になっているということでした。
そしてたたみかけるように後半は、欧米諸国のアフリカに対する態度や隠された実態が明らかになっていきます、観る物にただ押し付けるのではなくて、ただ淡々と事実を述べている感じでした。
色々とショックな事も知りました、とくに村の牧師さんがキリスト教では『婚外交渉』や『同性愛者』は罪なので、牧師の立場からはコンドームは勧められないという事でした、コンドーム自体が罪になるのだそうです。
またタンザニアの人々はナイルパーチの身は食べる事が出来ずに、ただ空でやってくる欧米諸国や日本などの飛行機に積むだけで、ナイルパーチの養殖がいかに彼らの暮らしを悪化させているのかも分かりました。
お勧めします、このドキュメンタリー映画も『 ホテル・ルワンダ』や『母たちの村』同様に、僕等が知らなければならない事実なのかもしれません。