 | 「天国の口、終りの楽園。」「モーターサイクル・ダイアリーズ」のガエル・ガルシア・ベルナル主演の問題作です、結構物語が静かに進んで行くのでサクサク観られますが、凄く暗くて恐いお話でした。 まだ見ぬ実の父に息子として受け入れられることを願う青年が、非情な現実を前にその期待を裏切られたことで、冷酷な復讐へと突き進む姿を、現代のアメリカ社会が抱える問題を背景に寓意を盛り込みつつスキャンダラスに描き出しています。そうとは知らずに実の兄である彼に誘惑され、禁断の関係へと陥る少女を、“第2のスカーレット・ヨハンソン”の呼び声も高いペル・ジェームズが好演するのも見ものでした。オスカー俳優のウィリアム・ハートやローラ・ハリング、「ガール・ネクスト・ドアー」のポール・ダノなんかも出演していました。監督はドキュメンタリー作品を多く手がけるジェームズ・マーシュです。
海軍を退役したばかりの青年エルヴィス(ガエル・ガルシア・ベルナル)は、亡きメキシコ人の母から聞かされていた実父に会いに、テキサス南部の小さな町へとやってくる。実父のデヴィッド(ウィリアム・ハート)は、今は牧師となり、愛妻トゥワイラ(ローラ・ハリング)と神学を専攻する息子のポール(ポール・ダノ)、純真な16才の娘マレリー(ペル・ジェームズ)の家族4人で平和な家庭を築いて幸せに暮らしていた。とっくに振り捨てたはずの忌まわしい過去を象徴する、エルヴィスの突然の出現にデヴィッドは困惑を隠せず、彼を冷たくあしらう。思いがけないその仕打ちに怒ったエルヴィスは、復讐の念をかたく胸の内に秘め、自分とは異母兄妹であるマレリーに接近して、彼女を巧みに誘惑し…。
実の父親に拒絶された海軍を除隊した青年が、復讐のために腹違いの妹に接近して父親の家族や父親に…、という映画でした。 『アマロ親父の罪』『バベル』のガエル・ガルシア・ベルナル演じるエルヴィスが、実の父親ウィリアム・ハート演じるデイヴィッドに今の家族が出来る前の昔の女との間に出来た子供だと、家族の一人として相手にしてもらえなかった事から、エルヴィスは復讐の鬼となります。 ガエル・ガルシア・ベルナルは最近話題作に沢山出るようになりましたね、この作品でもウィリアム・ハートやローラ・ハリング達と共演しました。 凄くクールで温厚そうな仮面の下に、恐ろしい復讐の魂を隠し持った美青年をガエル・ガルシア・ベルナルが演じているんですが、『モーターサイクル・ダイアリーズ』で若き日のチェ・ゲバラを演じた時のように、ここでも普通の好青年に見えるエルヴィスを好演しています。 ガエル・ガルシア・ベルナルは強烈な存在感で魅了していますね、ウィリアム・ハートも一時の不遇な時代から脱却してきました、『蜘蛛女のキス』の時の頃のようにいい役をしていました。 エルヴィスを実の兄とは知らずに合いしてしまうマレリーを、ペル・ジェームズが凄く良く演じていました、第2のスカーレット・ヨハンソン”のと呼ばれるのも分かりますが彼女は今年2007年で30歳!!でも16歳のマレリーに見えてくるから不思議です、人間年齢じゃなくて気持ちですね、でも以上に若かったです。遅咲きですが、これからが楽しみな女優さんです。 ドラマは思わぬ展開に発展していきますが、果たしてエルヴィスはドコまで想定していたのか・・・・、とにかく「深く静かに潜航せよ」じゃありませんがスイッチが入ってからのエルヴィス=ガエル・ガルシア・ベルナルの迫力は凄まじかったです。 お勧めします、一見の価値はある映画に仕上がっています、ガエル・ガルシア・ベルナルはやっぱりキテます。 |