 | TV−CMやアルバム・デザイン、音楽クリップの制作など多方面にわたって活躍する才人クリエイター、マイク・ミルズが自ら惚れ込んだウォルター・キルンの原作小説の映画化したものです。この映画が待望の長編映画監督デビューとなります、「僕の大事なコレクション」のリーヴ・シュレイバーのように、これが初監督だとは思えない出来栄えだったと思います。 なぜかいまだに子供っぽい悪癖から抜け切れない17才の高校生の、悩み多き青春を独自の感性でみずみずしく描き、愛すべき秀作に仕立て上げました。 主役の新星ルゥ・テイラー・ブッチをはじめ、ティルダ・スウィントンにキアヌ・リーブスにヴィンセント・ドノフリオらの好演も見逃せません。
オレゴン州の閑静な郊外住宅地に暮らす17歳の少年ジャスティン(ルゥ・テイラー・ブッチ)。彼は未だに親指を吸う癖が治らず悩んでいた。両親が心配していることも分かっていたがどうしても止められないのだ。行きつけの歯医者のペリー先生(キアヌ・リーブス)は、そんなジャスティンの悩みを解消するため催眠術を施した。おかげで癖は治ったものの、不安を解消する術を失ったジャスティンは次第に自分の行動をコントロールできなくなっていく。片想いの同級生レベッカ(ケリ・ガーナー)ともぎくしゃくしてしまい、ついにジャスティンはADHD(注意欠陥多動性障害)と診断され抗うつ剤を処方される。薬の効果はすぐに表われ、見違えるように活動的になるジャスティンだったが…。
親指をしゃぶる癖が直らない思春期17歳の少年ジャスティンが、恋愛も勉強も何もかもが上手くいかないのはこの奇癖のセイだと思い、奇癖を止めようと自分改革に乗り出す姿を描いています。 ティルダ・スウィントンやヴィンセント・ドノフリオ、キアヌ・リーブスにヴィンス・ヴォーンなど脇役陣も豪華ですが、主演のルゥ・テイラー・ブッチがサンダンス映画祭やベルリン主演男優賞を貰いました。 彼の演技は透明感に溢れていて、思春期の揺れ動く不安定な心を演じていて、数々の映画賞に輝いたのも分かるような気がしました。 ヴィンセント・ドノフリオの父親役やキアヌ・リーブスの歯科医もナカナカ驚きましたが、ヴィンス・ヴォーンの学校の先生役にはビックリしました。 それからティルダ・スウィントン、近いうちに彼女はオスカー獲るんじゃないかと思うような演技でした、素晴らしかったです。 ジャスティンが好きになるレベッカ役のケリ・ガーナー、可愛かったですね〜、ジェシカ・ビールの「エクスタシー」にも出ていましたがトミー・リーの「チアガール VS テキサスコップ」にも出ているらしいです、この映画にはヴァネッサ・フェルリトも出ているらしいので早く観たいと思います。 ジャスティンは自分改革のために学校の討論部に入って、大会でどんどん活躍して勝ち続けますが、虚しさはつのります、やがてマリファナや非行に走るようになりますが・・・・・・。 ラストのキアヌの言葉が身に染みますね、『無理は止めた、人は直そうとジタバタする、何故直す?人に出来るのは考えて努力して望むだけ』だと。 『自分が正解などと思うな、大切なのは答えなしに生きる力だ』と、これは僕も凄く気に入りました、僕の座右の銘の一つにしたいと思います。 お勧めします、思春期の青臭さや甘酸っぱさの詰まった映画でした、ルゥ・テイラー・ブッチの演技も一見の価値ありです。 |