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「バタリアン リターンズ」をお勧めします。

ホラー純愛青春コメディ映画です。

画像:bata0305.jpg説明
「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」(68)を原点としつつ、独自の進化・増殖を遂げ5作が作られた「バタリアン」シリーズ中、最高傑作の呼び声も高い「バタリアン リターンズ」が、遂にDVD化されました!!だから僕も観る事が出来ました!
悲劇の女ゾンビ、ジュリーを演じるのは、「スポーン」のミンディ・クラーク。自らの肉体を傷つけ、感じる苦痛によって人間性を保とうとするその姿は痛々しくも美しいものがありました。彼女に施されたフェティッシュなジャンク・ボディ・ピアッシングをはじめ、グロテスクなバタリアンたちの特殊メイクは「スピーシーズ種の起源」等の名手スティーヴ・ジョンソンてて、監督は「死霊のしたたり」シリーズのブライアン・ユズナです。


 恋人のジュリー(ミンディ・クラーク)と共に軍施設に忍び込んだカート(J・トレヴァー・エドモンド)は、そこで父の指揮の下で行われていた、特殊ガス“トライオキシン”で死者を蘇らせ最強の戦兵士を作り出す禁断の実験を目撃する。その晩カートはバイク事故を起こし、同乗していたジュリーは即死。恋人を失うことへの恐怖と絶望に打ちのめされたカートは、最愛のジュリーの死体を軍施設に運び込むと、彼女をトライオキシンで蘇らせる。だがそれは、更なる惨劇の幕開けだった…。


「バタリアン」シリーズ第3弾ですが邦題はパート3と謳わず、リターンズとなっています。今までのシリーズとは一線を画す作品になっていましたから、そうされるのも理解できます、僕も『バタリアン リターンズ』の方が『バタリアン3』とされるよりもいいです。なにしろ共通項は、軍の死者蘇生薬トライオキシンとゾンビが脳を食べたがるということしかありませんからね。
この作品のテーマはおそらく純愛です、ホラー界随一のラブロマンスと言っていいでしょう。
最愛の恋人を失った悲しみから、そして愛深きゆえに神への冒涜ともいえる死者の復活、つまりゾンビにしてしまうという切なさ、甦った恋人は美しいけれどみるもおぞましい異形の怪物へと変貌してしまうが、それでも愛してしまう純粋さ・・・・。
そんな人間のもっとも美しい精神を真摯な姿勢で画面に描き出して・・・いません。だって監督はブライアン・ユズナですからねぇ。
しかしどこかおかしいのがこの『バタリアン・シリーズ』、いつものようにこの映画に出てくるゾンビはいかにも『バタリアン』のゾンビでした、ちょっと恐いけどおかしなゾンビ・・・・・。
僕もこの映画は『バタリアン・シリーズ』の最高傑作ではないかと思います、正確にはホラー・ラブロマンスの傑作ですかね??ヒロインが苦痛をその肉体に与える事で人間性を保ち、少年はそんな彼女を必死に守ろうとして頑張ります、時には彼女がゾンビになりそうになったり弱気になったりするのをしかります。
『バタリアン』らしくない、ホラー映画っぽくないと批判なさる人もいると思いますが、この『バタリアン リターンズ』は傑作だと思っています。
ただ、そのヒロインのジュリーのカートに対する愛情の描き方が弱いと言うか、ゾンビ化する前と後とでは全く違うように思えてしまうのです。ジュリーはどこにでもいるようなアメリカの、チョイ悪女の子でカートへの愛情もいい加減に見えました、だからゾンビになった途端に急にカート大切に思うようになったと感じてしまい、今一つヒロインのミンディ・クラークの熱演に感情移入が出来ない気がするんですよね、その一点が非常に残念でなりません。
まぁ色んな方の意見にもありますが、きっとユズナ監督が描きたかったのはヒロインがゾンビ化したその姿なんだと思いました、ミンディ・クラークは美人だしスタイルも凄くいいのでああいう『女ゾンビ』をつくりたいのは理解できます。
そのためにヒロイン・ジュリーの変身後のゾンビは神々しく感じるほど素敵でしたが、肝心のストーリーの方がおろそかになってしまったようです、それでも僕はこの『バタリアン リターンズ』はバタリアン・シリーズの最高傑作だと思っています、お勧めします。