 | タイトルの“ジャーヘッド”とは、頭の周囲を刈り上げ頭頂部に少しだけ髪を残した海兵隊員の髪型のことで、彼らをさす代名詞でもあり、“頭がカラッポ”を意味するスラングでもあります。 戦地に送り込まれたが、実際の任務は出撃を只待つだけという皮肉な状況で、主人公と戦友たちは何を思い、どうするのか。派手な戦闘シーンこそありませんが、現代の戦争と兵士や国家の関係を見つめ、観客を大いに刺激する型破りな反戦映画でした。 主人公の兵士スオフォード役は「ブロークバック・マウンテン」のジェイク・ギレンホール、「Ray/レイ」のジェイミー・フォックスや「 ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT 」のルーカス・ブラック、ピーター・サースガードにクリス・クーパーも共演していました。
祖父も父も兵隊だった青年アンソニー・スオフォード(ジェイク・ギレンホール)は、18歳になると当然のように憧れの海兵隊へ入隊を果たす。しかし新兵訓練の現実は、まるでただの虐待。スオフォードは自らの選択を後悔し始める。89年、カリフォルニア州のペンドルトン基地へ配属となったスオフォードをまたしても手荒い洗礼が待ち受ける。その後サイクス曹長(ジェイミー・フォックス)の目に留まり、厳しい訓練の末にわずか8名の斥候狙撃隊に選ばれるスオフォード。その頃クウェートにイラクが侵攻、やがてスオフォードたちにも待ちに待ったサウジアラビアへの派遣の日がやってくるのだが…。
実際に90年の湾岸戦争に兵士として参加した一人のアメリカ人青年が記した、全米ベストセラー・ノンフィクション『ジャーヘッド アメリカ海兵隊員の告白』を、「アメリカン・ビューティー」のサム・メンデス監督が映画化した実録戦場ドラマです。戦争シーンの殆ど無い 戦争映画として話題になりましたよね。 湾岸戦争時代のアメリカが背景になっていますが、イラクを相手にしている現在の戦争も痛烈に批判していました。 主役のジェイク・ギレンホールが主役のスウォフォードを演じています、三等曹長をジェイミー・フォックスが好演していました、ちょっと前までならサミュエル・L・ジャクソンがやるような役を演じてました。 せっこう狙撃兵のジェイク達にジェイミーがセリフで、「『汝殺すなかれ』と皆昔教わっただろ、だが違う、そんなセリフは忘れろ」と、教えます。 ルーカス・ブラックやピーター・サースガードも頑張っていました、皆砂漠に待機させられてやることがなく、時間を持て余している若者達をちょっとポップな感じで演じてました。 何もない砂漠で焦燥感を募らせたり、黒こげの死体の山を目の当たりにしたり、油田をイラクが燃やして降る油の雨の中に眠ったり・・・・。 曲もガス・ヴァンサント監督のように素晴らしい選曲でした、『ドント・ウォーリー・ビー・ハッピー』や『ゲット・イット・オン』、『エヴリバディ・ダンス・ナウ』など、砂漠の戦争映画でこのような曲を聴けるとは思いませんでした。 お国のために喜び勇んでアメリカから遠くはなれた場所に来て、砂漠の中で出撃命令の出ない毎日に焦燥感を募らせ、精神的にも追い詰められていく・・・・・。 なかなか見事な反戦映画だと思いました、見終わった後の嫌な焦燥感が漂う感じや後味の悪さ・・・、お勧めします。 |