 | 昨年、日本でも劇場公開されて一躍話題を呼んだ映画、「ホテル・ルワンダ」。 前回もここでご紹介しましたが、そこで戦慄的に描き出されたルワンダでの民族大虐殺を、ここでも題材に取り上げられています。 米・仏・ルワンダの3カ国合作で、その悲劇の顛末と、勇気を奮い起こしてその恐るべき真実と向き合おうとする人々の姿を、力強く感動的に綴った観る人の心を深く揺さぶる、力作TVムービーがこの作品です。 「ゴスペル」のアイドリス・エルバが主人公を好演するほか、既に選ばれた作品にしか出ないという大物、デブラ・ウィンガーも共演しています。
20世紀に入ってから、フツとツチの2つの民族の間で次第に不和・対立が深まるようになった、アフリカ、ルワンダの地において、1994年、フツ族の過激派たちがクーデターを起こして大統領を暗殺。国内はすっかり無政府状態に陥り、フツ族によるツチ族の虐殺が至るところで行なわれるようになる。ツチ族の妻を持つフツ族の軍人オーガスタン(アイドリス・エルバ)は、何とか妻ジャンヌ(キャロル・カレメラ)と息子達を虐殺の運命から逃れさせようと、彼女たちの身を、弟のオノレ(オリス・アーヒューロ)に託すのだが…。
「ホテル・ルワンダ」のトコロでも触れましたが、このような大虐殺を止められなかった・ただ傍観するしかなかった世界は、以上だと思います。 僕は1994年の4月は後遺症の熱が出る前で、丁度後遺症で魘されている頃に、事件は解決して治まっていったようです、ラジオでニュースを聴いていてこの”ルワンダ大虐殺”について知ったんではないかと思います。 この作品でも国連や欧米諸国に見放されて、孤立して行く感じが分かりますがその描き方は「ホテル・ルワンダ」の方が臨場感もあってよかったと思いました。 それでも十分伝わってきたように思います、デブラ・ウィンガーなどが熱演していましたが、チョット言い訳がましかったです。 しかし主人公のオーガスタン(アイドリス・エルバ)は、やはりベルギー系の高級ホテル“ミル・コリン”に隠れるので、やっぱりホテル“ミル・コリン”は大切なツチ族の隠れ家にななていたんですね。 ここではホテル“ミル・コリン”の支配人ポールのお話ではなく、オーガスタンの家族と弟のオノレのお話が軸になっています、1994年のルワンダではこういったお話が沢山あったんでしょうね。 フツ族の夫オーガスタンとツチ族の妻ジャンヌの家族が、ストーリーの軸になっているというのは、「ホテル・ルワンダ」と少し似ていました、展開やラストは違ってましたが。 しかし100日間で100万人以上が虐殺された大事件を、ホントに諸外国は何も出来なかったんだということが分かります、ツチ族のルワンダ愛国戦線(RPF)が結局は制圧したのですから。 大量虐殺をやめるようにアメリカの国務副長官が、フツ族のバゴソラ大佐に電話した時、「(ルワンダには)石油もダイヤモンドもないのに?」と平然と言い返した言葉が、強く印象に残りました。 もしルワンダに、石油やダイヤがあったらどうなってしまっていたでしょうね、ジェノサイド(集団殺害)という言葉も沢山でてきました、こういう時には宗教も何の役にもたたないですね。 また、ラストに流れる「82名が起訴されて20名が有罪判決を受けた。虐殺を傍観していた者は誰一人、起訴されてない。」という言葉も、胸に強く残りました。 「ホテル・ルワンダ」同様、この「ルワンダ 流血の4月」も”お勧め”などではなく、見なくて歯なら無い一本ではないかと思います。
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