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「ロード・トゥ・パーディション」を観ました。

親と子の復讐の物語です。

画像:roadto.jpg説明
「アメリカン・ビューティー」で見事に現代のアメリカ社会を、シニカルに切り込んでアカデミーの監督賞と作品賞を受賞したサム・メンデスが、同主演男優賞に2度輝いたトムハンクス、同じくオスカー俳優(どう考えても「ハスラー2」での受賞は変ですよね)のポール・ニューマン、そして今年もオスカーにノミネートのジュード・ロウといった豪華キャストと組んだ、父子の絆と壮絶な復讐の物語です。
舞台は30年代初頭のアメリカ、12歳のマイケル・サリヴァン・ジュニアは、母アニーと弟のピーター、そして寡黙な父マイケル・サリヴァン(トム・ハンクス)とともに、イリノイ州ロックアイランドの町にともに住む少年。ある夜、マイケル・ジュニアは父サリヴァンが町を牛耳るマフィアのボス、ルーニー(ポール・ニューマン)のもとで働く殺し屋だと知ってしまう。この事実にショックを受けたマイケル・ジュニアにさらなる悲劇が、ルーニーの息子でありサリヴァンを妬んでいたコナーに母アニーと弟ピーターが殺されてしまうのである。
コナーへの復讐を誓ったサリヴァン・パパはマイケル・ジュニアを連れて、シカゴへと向かう。しかしサリヴァンは組織から見放されてしまい、凄腕の殺し屋マグワイア(ジュード・ロウ)から、息子共々命を狙われることに、果たして父子の運命は・・・。
結局オスカーは撮影賞ぐらいしか獲れませんでしたが、中々の佳作に仕上がった作品だと思います、基本となる物語の骨組みは「子連れ狼」から頂いたそうです。さすが「アメリカン・ビューティー」を創りあげたサム・メンデス監督、父と子の感動的なドラマを丁寧な演出でギャングの世界を絡めて、見事に描き上げていると思います。とりわけ、オスカーの撮影賞を受賞しただけあって、激しい雨の中のシーンや明るい日差しが差し込むラスト・シーンは見ごたえがあります。
トム・ハンクス、流石に凄いです、「フィラデルフィア」はデンゼルを応援するために良く書いていますがやっぱり上手い!キャスト・アウェイやフィラデルフィアやビッグとは全く違った役どころですが(多分ギャングなんて役は初めてじゃないかな)、いかにも「腕の立つ殺し屋」といった感じがにじみでています、デ・ニーロのマフィア役とはまた一風変わっていると思います。
そういえば”「アポロ13」のトム・ハンクスは最悪、スプラッシュの演技を思い出す。ケビン・ベーコンは・・・”なんて書いていた人がいたなぁ。映画はその人の感じ方がありますが、そんな人には映画は語って欲しくないです、だってスプラッシュもフィラデルフィアもフォレスト・ガンプも今回のロード・トゥ・パーディションも全く違った演技でしょ?「ビッグ」での演技なんて最高じゃない、簡単そうに見えて凄く難しいと思うんですよね、アポロ13はゲイりー・シニーズやエド・ハリス(ミルク・マネーがお勧めです)も良かったけど。
きっとその人はスプラッシュとアポロ13しか観ていないんじゃないかな、もっと沢山観ればいいのに、この「ロード・トゥ・パーディション」なんかいいんじゃないかな。
ポール・ニューマンは渋くなってきましたね、昔から渋かったけど。彼が出ているだけで、その映画の質が3ミリ程アップしたような気が、観ているだけで凄い人です。
ジュード・ロウってやっぱり演技上手いんですね、「クロコダイルの涙」って映画が凄く好きだったんですが、こんな演技も上手に演じられるのは凄いと思います。
自分の殺した人間の写真を必ず撮るという、ちょっぴりサイコ入った殺し屋の役なんですが、とってもサイコな感じが出ています。もしかしたら”第2のウィリアム・デフォー”出現かもしれないです、デフォーを観るなら「ストリート・オブ・ファイヤー」か「ワイルド・アット・ハーシ」です。主役じゃないけど、主役以上に目立つ演技をします。
「ロード・トゥ・パーディション」、とっても男臭い父と子の物語ですがキレイで壮絶な復讐のフィルム・ノワール(女性は殆ど出てきませんが)でした、お勧めします。