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「裸足の1500マイル」を観ました。

映画は時々世界の勉強をさせてくれますね。

画像:rabbitprooffence.jpg説明
今回は「裸足の1500マイル」をお勧めします。
第二次世界大戦が起こる前、1931年。オーストラリアでは、先住民族"アボリジニ"の混血児を家族から隔離し、白人社会に適応させようとする政策がとられていた。その対象となり、居住地に強制的に収容された14歳の少女モリー、妹デイジー、そして10歳の従妹グレイシーが母親に会いたい一心から脱走不可能といわれた施設から脱走。大陸を縦断するラビットフェンスだけを頼りに、少女たちは1500マイル離れた故郷を目指して長い旅に出るが・・・。
モリーの娘・ドリス・ビルキングストンが発表したノンフィクション小説を映画化したものだそうですが、何が凄いってただ母に逢いたい、戻りたい、こんなところにいたくないという本能的な想いと強靭な意志で歩き続ける少女の姿が、真直ぐな視線が凄いです。彼女達は、皆アボリジニの血を受け継いでいる(血を引く)少女達が演じているらしいですが、主人公・モリーの目を観てるだけで、この映画に出会った価値があると思ってしまいます。
特別な感動があるわけではないです、ただひたすらに母の元に帰りたいとする彼女達と、砂漠とが殆どの映画です。金で雇われた白人の捕獲者が契約切れを理由にとっとと砂漠を後にし、逆に先住民らしき男が金を得るために彼女たちを売ることが、凄く印象に残りました。
今この映画を観れば、白人たちの愚かさ・独善性が分かりますが、きっと当時はこんな考え方が主流だったんだろうなぁと思ったら、イラク戦争も本当に独善的だなぁと思います。
ローレンス・オリビエ以来の名優と謳われる、ケネス・ブラナーがアボリジニ保護局局長の「デビル」ことネビルを好演しています。

「カルラの歌」や「モンスーン・ウェディング」などのように、僕達が知らない世界を見せてくれているような映画です。是非ご覧になってみてください、お勧めします。