 | この映画は前評判が凄く高かったので楽しみにしていました、夜中に一人で観るのは怖い映画だって言われていました、実際に結構怖かったです・・・。 心霊写真という、最も古典的だけどポピュラーで身近な題材を活用した、アジア発のホラーです。 きっと多くの人が、子どもの頃、心霊写真の恐怖で眠れぬ夜を過ごしたという経験を持っていると思います。 この作品『心霊写真』は、タイトル通り心霊写真を題材としていますが、『心霊写真』だけではなく題材の特長を生かしながら、古臭さが出ないように現代風のテイストも折り混ぜながら、キレ味鋭い演出がなされていました。 少し日本風の味付けもされていたかな、アジアン・テイストたっぷりの作品だったから本国タイをはじめ、アジア各国で大ヒットを記録したそうです。 ちなみに作品中で使用されている心霊写真は、ストーリーの本筋に絡むものを除いて、全て実在のものとのことです、僕のDVDにも厄除けのお札と『心霊写真』の3枚セットが封入されていました。かなり不気味でした、そちらの恐怖も味わいたい方はDVDも一緒にどうぞ。
カメラマンのタン(アナンダ・エヴァリンハム )と恋人のジェーン(ナッターウィーラヌット・トーンミー )は、タンの友人の結婚式に出席した帰路、飛び出してきた女性を車でひいてしまう。動かない女性を目にしたタンは「逃げよう」と提案、2人は現場から走り去った。数日後、タンが仕事で撮影した写真を現像してみると、そこには女の顔のようなものが写っていた。ジェーンは心霊写真ではないかとおびえるが、タンは露光の失敗だと言う。しかしその後、2人に恐ろしい出来事が起こり始める…。
この映画は結構面白く(恐く)作られていたのではないかと思います、スプラッターやグロ・シーンは無いので、そういうのが苦手だと言う人にもお勧めです、怖いですけど・・・・。 途中でやっぱり貞子みたいな幽霊・長くて黒い髪を引きずる女の霊が出てきますが、それに頼りきっていないところが良かったです、結構オリジナリティも感じました。 大分Jホラーの影響も受けていましたね、この手のホラーの代表は「呪怨」のオリジナル・ビデオ版だと思うので、是非この夏にでも見ていただきたいです、因果応報を超越したところにこのホラーの真髄はあると思いますので、映画版やリメイク版はまだ甘いですから。 この映画に戻りますが『心霊写真』がただ出てくると言うだけではなくて、あることがキッカケで主人公タンの身の回りで不思議な事が起こるようになります。 はじめにも書いたように「貞子的」な幽霊に頼りきるのでは無く、『心霊写真』に頼るものでもありません、『心霊写真』を上手に利用した立派なホラー映画でした。 ストーリーは物凄く分かりやすいと言うかベタというか、タンがネートに取り憑かれるのも非常に分かりやすい理由ですが、それよりも展開などにとても妙味があると思います。 タンの恋人ジェーンが、タンやタンの友達達が何故ネートに取り憑かれる本当の理由を、細工が出来ないポラロイド写真をパラパラ漫画のようにめくって気がつくところなんて、良く考えてあるし面白くて不気味でしたねー。 ネート役のアチタ・シカマーナが、綺麗なんだけどどこか怖ろしいネート役を熱演していました、というよりもアチタ・シカマーナは”ネート”を演じるためにこの世に生まれてきたみたいです。 タン役のアナンダ・エヴァリンハムも、"アジアのオーランド・ブルーム"みたいでカッコ良かったです。 ラストが、「ネートが普通に除霊されて、つまらなかった」という意見がありましたが、全く除霊なんかされていませんでした、これ以上はネタバレになってしまうので、あとはご覧になって楽しんでください・・・・・。 お勧めします、あなたにこの『心霊写真』を、一人で夜に観る勇気はありますか??
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