 | ベルナルド・ベルトルッチ(『ラストエンペラー』)と共に、イタリア映画界の巨匠と呼ばれるマルコ・ベロッキオによる人間ドラマです。 1978年にローマで実際に起きた元モロ首相誘拐暗殺事件を軸に、武装集団「赤い旅団」の一員としてモロを匿う若き女性の姿を描いています。物語の大半はアパートの一室で展開され、旅団のメンバーらの葛藤を際立たせた。ベロッキオの最高傑作とも評された本作では、史実を基にしながらも事実のみを語るのではなく、ベロッキオ監督の思う強い自由への希望などを挿入させています。 そしてそのことによって、暴力の無意味さをより一層感じさせる作品に仕上がったように感じました。 「赤い旅団」のリーダーを『僕の瞳の光』でベネチア国際映画祭、最優秀男優賞を受賞したルイジ・ロ・カーショが演じています。
1977年の暮れ。アパートの下見に、若き女性キアラ(マヤ・サンサ )が訪れていた。ごく普通の女性にしか見えない彼女は、実は極左武装集団「赤い旅団」の一員なのだ。1978年、3月16日。テレビニュースがモロ元首相(ロベルト・ヘルリッカ )の誘拐を伝える。キアラの任務はモロ元首相を部屋に監禁することだった。図書館に勤務するキアラは、同僚の男性と親しくなる。しかし彼は旅団を殺人者だと言い放つ。そして彼女は、ある頃からモロが自由に歩き回る夢を見るようになる……。
この事件についてはあまり知りませんでした、「赤い旅団」というのは聞いた事がありましたが。 信念と良心の狭間で苦悩する若き女性キアラを、マヤ・サンサがイキイキと演じていました、観ているこちらによく伝わって来ていたと思います。 この事件は「赤い旅団」というのを聞いた事があるくらいで、どこまでがノン・フィクションでどこからがフィクションなのか分かりませんが、とても上手く出来ていたと思います。 「赤い旅団」のキアラの苦悩する姿と、モロ元首相の誘拐された後のことはフィクションだと思われますが、ストーリーもわりと単純なので全体的に分かりやすかったです。 お勧めします、フィクションとノン・フィクションの狭間をお楽しみください。
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