 | これまでに60本の映画しか製作されていないというウルグアイでつくられ、カンヌ国際映画祭や東京国際映画で評判を呼んだヒューマン・コメディです。 小さな靴下工場を経営する年老いた男と突然帰郷した弟、経営者に頼まれ偽装夫婦を演じることになる中年女性従業員、ひょんなことから奇妙な共同生活を送ることになる男女3人が織りなす人間模様をペーソスを交え、ほのぼのとしたタッチで綴っていました。 監督は本作が長編2作目となる新鋭コンビ、フアン・パブロ・レベージャとパブロ・ストールです。
ウルグアイの町で靴下工場を営むハコボ(アンドレス・パソス)は、規則的な日々を淡々と送っている。ある日ハコボは、1年前に亡くなった母親の墓石建立式のため、ブラジルで暮らす弟、エルマン(ホルヘ・ボラーニ )を呼びよせることに。そこでハコボは、工場で働くマルタ(ミレージャ・パスクアル)に、数日間、彼の妻を演じて欲しいと願い出る。普段から会話の少ない2人は、ぎごちなくも偽装夫婦の繕いをしてエルマンを迎えた。建立式は無事に終わるが、エルマンは2人を旅行へ連れ出すことに…。
「ウルグアイの映画なんてあまり聞いたことないなー」なんて思いましたが、映画のタッチは「ロゼッタ」や「息子のまなざし」などのベルギーのダルデンヌ兄弟や、「過去のない男」のアキ・カウリスマキ監督のそれとどことなく似ていました。 映画を見ていくにつれてハコボがマルタに”偽装夫婦”として、ハコボの弟のエルマンに会う目的が分かっていきます、ハコボは本当にその性格も災いして女運が悪いんだなぁとか・・・・。 淡々と3人の姿をカメラは追っていきますが、乾いたタッチの中にも温かみがあるように感じます、色々と解釈できるラストも良かったと思います。 僕達があまり知る事が出来ない、ウルグアイの街並みや人々の暮らしが見られて楽しいです、カメラに笑顔を向けるときに出る日本で言うところの「チーズ」を意味する「ウィスキー」を題名にしたのもいいです。 しかしハコボの優しさって伝わりにくいですよね、女性は分かりやすい優しさがいいんですかね・・・・・・。 ”オトナにだって、思春期はやってくる”、そう感じさせてくれる楽しくて暖かい映画でした、オススメします。
「ウィスキー」の方が、「チーズ」よりもいい笑顔になれると、僕は思います。
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