 | 実際にアメリカで起きた事件をもとにした法廷サスペンスです、ホラーの要素も無くはありませんでしたが。 この映画の宣伝方法やうたい文句から、完璧にホラーだと思っていました、でもホラーではなくて法廷劇のミステリーといった感じでした。 最近はこういうホラーを前面にだしておいて、実は違うってパターンが増えてきたように思います、映画の半分以上は法廷と証人の証言を回想的に表現しています。 エミリー・ローズは病気(精神病)だったのか、それとも悪魔に憑依されていたのか・・・。つまり、医療を拒否し悪魔祓いに専念、結果的にエミリーを死に至らしめた神父の行動は罪になるか、どうかという息詰まる論争が展開されていました。 多分に宗教とも関わってくる“悪魔の存在”論争を正面から描いた本作が、違う宗教や文化を持つ地域でどのように迎えられるのか、その点もたいへん興味深いです。 監督は「ヘルレイザー/ゲート・オブ・インフェルノ」のスコット・デリクソン、出演は「ラブ・アクチュアリー」や「愛についてのキンゼイ・レポート」のローラ・リニーに、「エターナル・サンシャイン」のトム・ウィルキンソン。また、新進女優のジェニファー・カーペンターが、エミリー・ローズを熱演していました。
ある日、神父ムーア(トム・ウィルキンソン)が悪魔に呪われたという19歳の女子大生エミリー・ローズ(ジェニファー・カーペンター)に悪魔祓いを施した末、死に至らしめたとして過失致死罪で起訴された。彼の弁護には、野心的な女性弁護士エリン(ローラ・リニー)があたることに。エミリーは精神病で、薬の服用をやめさせたことが原因だと主張する検事側に対し、エリンはムーアの真摯な主張をもとに悪魔の存在を証明していく――。ある深夜3時、大学寮で寝ていたエミリーは焦げ臭いにおいで目を覚ました途端、原因不明の痙攣や幻覚に見舞われる。以来、症状が悪化し、病院でも改善が見られない彼女は自宅で療養する。やがて、自分の中に何かが取り憑いていると確信したエミリーは、ムーアに全てを託す。だが、彼の懸命な悪魔祓いも空しく、エミリーは無惨な姿で命を落としてしまう…。
これはトリビアですが、この「エミリー・ローズ」の予告編がテレビのスポットCMとして放送された際、悪魔に取り憑かれて上体を後ろに反らすジェニファー・カーペンターの姿が、トリノオリンピック女子フィギュアスケートで金メダルを獲得した荒川静香選手のイナバウアーに似ていたことから、「悪魔のイナバウアー」と呼ばれて話題となりましたね。なんとなくそれは覚えています、映画を見ると確かに似ていなくもありませんでした。 僕もはじめは完全にホラーだと思っていました、でもよく読んだりしたら「法律という現実的な視点と超常現象という曖昧な世界を、見事に融合させた過去に類を見ない未体験映画」というふれこみみたいでした。 あんまり恐くは無かったですがこれが事実(を基にしたフィクション)だと言われたらねはい・そうですかと言わないといけませんね。 最近のホラーは大物俳優を沢山使っていますからね、昔は「オーメン」にグレゴリー・ペックを使ったりしていましたが、最近みたいに大物を使う事は無かったですものね。 「THE JUON/呪怨」あたりからですかね、ハリウッドなんかでも大物が出るようになったのは、最近は「ダーク・ウォーター」や「サイレント・ヒル」など、枚挙に暇が無いほどですからね。 この「エミリー・ローズ」にも、ローラリニーやトム・ウィルキンソンにキャンベル・スコットなんかが出ていました。皆迫真の演技でした、こちらにも伝わってくるような熱演でしたが、あんまり恐くなかったのが残念でした。 ただこうも宗教的な部分を出されてしまうと、正直ついていけないなとも思ってしまいます、やっぱり欧米諸国は”キリスト教パンザイ”国家だなぁって。 これがキリスト教のお話ではなくて違う宗教の話だったら、また展開も結末も違ったものになっていたんでしょうね。 ただエミリー・ローズを演じたジェニファー・カーペンターは、凄く良かったです、また違う役も演じてもらいたいと思いました。 評価は宗教が絡んでいますし難しいですが、見ても損にはならないと思います、つまらない映画でもなかったと思います、お勧めします。
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