 | 2005年度アカデミー賞で、主演男優賞など3部門にノミネートされた話題作です。“アフリカのオスカー・シンドラー”とも言うべき人物を、ドン・チードルが忘れられない名演技で見せてくれています。 このドン・チードルという俳優さんは、「 オーシャンズ11 」をはじめ沢山の映画に出演しているので、ご存知の人もいるとは思います。「クラッシュ!」などにも出ていて、演技力には定評があります。 1994年に中央アフリカのルワンダでの民族間抗争が大虐殺に発展し、3ヵ月あまりの間に100万人もの人々が殺された事実にもとづいた話ですが、こうした内戦、虐殺の現実はルワンダだけではありません。実際に多くのアフリカの貧しい国に起こっていること、または起こりえるということに、この「ホテル・ルワンダ」を観た人は改めて気付かされますよね。そして“無関心”が大きな罪であることを。 監督は「父の祈りを」の脚本で知られるテリー・ジョージ。共演にソフィー・オコネドー やホアキン・フェニックス 、ニック・ノルティ やジャン・レノ など、とても豪華な人達が集まりました。 この「ホテル・ルワンダ」は日本では長らく公開のメドが立たずにいました、ナカナカ配給元が決まらなかったようですが、有志による熱心な署名活動が実を結び晴れて公開実現の運びとなったそうです、日本人として恥ずかしい事かもしれません。
1994年、ルワンダの首都キガリ。多数派のフツ族と少数派のツチ族の内戦はようやく和平交渉がまとまるかに見えたが、街では依然としてフツ族派ラジオ局が煽動的なプロパガンダを繰り返し不穏な空気に包まれていた。ベルギー系の高級ホテル“ミル・コリン”で働く有能な支配人ポール(ドン・チードル)。ある晩帰宅した彼は、暗闇に妻タチアナ(ソフィー・オコネドー)や子供や近所の人たちが身を潜めていのるを目にする。フツ族大統領が何者かに殺され、これを契機にフツ族の人々がツチ族の市民を襲撃し始めたのだ。ポール自身はフツ族だったが、妻がツチ族だったことから一行はフツ族の襲撃を逃れミル・コリンに緊急避難する。外国資本のミル・コリンはフツ族の民兵たちもうかつには手を出せなかった。そのため、命からがら逃げ延びてきた人々が続々と集まってくるのだが…。
この作品もとても気になっていました、ドン・チードルがオスカーにノミネートされましたし、ルワンダの民族紛争についても知りたかったものですから。 1994年と言うのは僕にとって大変な年でした、後遺症の脳幹部の熱が突然出てきて半年以上もほぼ寝たきりだったので、殆どこの事件の事を知らないでいました。 この映画が話題となってドン・チードル達がノミネートされて、その虐殺というのがどんなにひどくて凄いものだったが分かりました、役100日間で100万人もの人達が虐殺されたそうです、あまりにも凄い数なので想像がつきませんでした。 ドン・チードルが 演じる“ルワンダのオスカー・シンドラー”ともいうべきポール・ルセサバギナは、シンドラーと同じように最初からツチ族を助けようとしていたのでせは無かったようです、ただ愛する妻がツチ族で子供達や隣人、ホテルのお客さん達をなんとかしようとしているうちに、残忍な光景などをみて困っている人達を助けようとしたようでした。 ビックリするのが、このころ出来たばかりのPKO法案などが待った区活かされていないということでした、国連も連合軍も全く力になれないん、この事実にはビックリしました。 アメリカもイギリスも、フランスにロシアに国連も、そしておそらく日本もこの大変な問題を見放したという事実です。 ホアキン・フェニックス演じるジャーナリストが、ルワンダの人間であるドン・チードルの目の前で撮影して来た”虐殺”のビデオを流します、ホアキンがドン・チードルに謝るとドン・チードルは「これで世界が助けに来る」と言って喜びます。 しかしホアキン・フェニックスはホテルの支配人のドン・チードルに、「世界の人々はあの映像を見て、”恐いね”というだけでまたディナーを続ける」といいます。 確かにそうかもしれませんね、僕達日本人にもこういった光景は強烈過ぎるし、島国で生きる僕等には「対岸の火事」でしかないのかもしれません。 国連軍や平和維持軍、フセンス軍やイタリア軍が去る場面でも”ルワンダの一流ホテル ミル・コリン”のスタッフ達は雨にお客が濡れまいと傘を外国人のお客達に挿しだします、ジャーナリストのホアキン・フェニックス経ちは断って「恥ずかしい」と吐き捨てます。 この映画を見ていると、ジャーナリストのホアキン・フェニックスの気持ちが分かるような気がします、何気に結構好きなニック・ノルティや大好きなジャン・レノ、”ヘレン・ハント”が出ているのかと思ったカーラ・セイモア に奥さん役のソフィー・オコネドーも頑張っています。まるでこの映画の持っている力・意味・意義を、皆知っていてそれを広めるためのような、素晴らしい演技を見せてくれました。 ある人の意見で、ラストにポール(ドン・チードル)の妻タチアナ(ソフィー・オコネドー)が、いなくなってしまった兄夫婦の子供(姪)を見つけて喜ぶシーンがあります。 そのシーンをさして「ほかにも戦災孤児は沢山いただろ」なんて、ケチをつけていました、確かにそういう意見もあると思います。 がこの映画がノン・フィクションであることを世の中に知らしめるためには、この大量虐殺事件がどれだけ凄まじいものであったかを告発するためには、ああいう自然なシーンがあって当たり前だと僕は思いました。 いかに国連軍が無力なのか、アメリカを筆頭にどれだけ沢山の大国がこの虐殺事件を見て見ぬフリをしていたのか、とても良く分かる映画だと思います。 この映画はお勧めではなくて、僕達が知らなければいけない”事実”であると思います、是非皆さんもご覧になってください。
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