 | いやぁ、「シリアナ」の直後に観たせいもあるんだろうけど、この映画は物凄く分かりやすくて面白かったです!! 2003年に『バーバー吉野』でデビューした、新鋭・荻上監督の最新作です。といっても僕は『バーバー吉野』は観ていないので良く分かりません、ただ皆さんの評価は高いみたいです。 『バーバー吉野』と続く『恋は五・七・五!』に流れていたそうですが、この荻上監督独特の心地よい空気感は本作でも健在でした。 小林聡美、片桐はいり、もたいまさこと、唯一無二の存在感を発揮する女優を迎え、何とも不思議で暖かな作品が誕生しました。原作は人気作家、群ようこが初めて映画のために書き下ろしたものだそうです、思わず原作も読みたくなるような作品でした。 日本から最も近いヨーロッパの国、フィンランドの小さな食堂で過ぎていく緩やかな時間は、とても贅沢な気分を味わわせてくれるはずです!! 他の出演者として、食堂を訪れる客のひとりでフィンランドの名匠アキ・カウリスマキの『過去のない男』の主演俳優、マルック・ペルトラが出演していました。
フィンランドのヘルシンキに“かめも食堂”という小さな食堂をオープンした日本人女性サチエ(小林聡美)。シンプルな“おにぎり”を看板メニューに、フィンランドの人にも日本食のおいしさを伝えたいと張り切るが、やって来たお客は日本のアニメが好きなおたく青年トンミ・ヒルドネン(ヤルッコ・ニエミ )だけ。それでもめげずに淡々と営業を続けるサチエは、やがて訳ありなミドリ(片桐はいり) とマサコ(もたいまさこ)の2人の日本人女性と出会うのだった・・・。
この『かもめ食堂』は予想よりも大分面白かったですね、このキャスティングでつまらない訳が無いと思っていましたが、こちらの予想よりも面白かったかなー。 とにかく”なんでフィンランドなの?”とか、”サチエとミドリとマサコの過去は?”とか、はじめの方は気になっているんですけど途中からそんな事はどうでもよくなってきます。 これも「バス男〜ナポレオン★ダイナマイト〜」に似ているようなところもあるんですよね、これといったドラマが無いと言えばありませんから、本当にフィンランドの「かもめ食堂」を中心としたところで起こる些細な日常を描いているんですよね。 でも違うと思えば違うような気もします、脱力系でも無ければ「やっぱり猫が好き」みたいなシュールな笑いもあんまりありませんでした。 それでもこんなに面白いのですから、監督荻上直子さんの脚本と、小林聡美・片桐はいり・もたいまさこの演技がとても良かったですよね。 コピ・ルアックのことやラスト間際でサチエ(小林聡美)がポロッと吐いた言葉、“かめも食堂”で働く事になるミドリ(片桐はいり) とマサコ(もたいまさこ)の働く理由など、随所に見所があって飽きさせませんでした。ラストも凄く良かったと思います、ここではあえて沢山書きません、トンミのヘタウマな日本語と漢字Tシャツも面白かったです。 お勧めします、フィンランドの大自然は殆ど出てきませんが、フィンランドのことがもっと好きになってくるような作品でした!!
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