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「 隠された記憶 」をお勧めします。

ここにもジュリエット・ビノシュがでています。

画像:hi01.jpg説明
「衝撃のラストカットを見逃すな!」というのが、この映画のキャッチ・コピーでした、運よく僕も気がついてそのラストが分かりました。
『ピアニスト』のミヒャエル・ハネケ監督が、カンヌ国際映画祭の監督賞・国際批評家賞・人道賞の三部門を受賞したサスペンス・スリラーです。
現代社会に渦巻く個人的・政治的抑圧に対する報復、当事者の無関心。そんな今や世界中に横たわる、しかし看過できない現実を描いていっています。
現在と過去で入れ替わる加害者・被害者のどちらかに、加担することも非難することもなく、淡々と経過を描くハネケ監督の怜悧な視線から“答え”が導かれることはありません。ゆえに僕等は、作品を見終わった後も長い間、あれやこれやと思いを巡らせるハメになるのです。「衝撃のラストカット」を運よく発見出来た僕も、未だに”この映画のここのコタエはどうなんだろうか?”などと、考えさせられてしまったままです。
無駄な演出、音楽は徹底的に排除されていました、それゆえこの映画を見たあなたも、色々と考えさせられることでしょう。
後半と「衝撃のラストカット」に訪れる2つの衝撃的なシーンに、謎と疑問を解く鍵がありました。ただ鍵は見つかりますが、この「 隠された記憶 」の答えは、あなたも見つけられないかもしれません。
主演は「 王妃マルゴ 」の、エマニュエル・ベアールとの間に子供のいるダニエル・オートゥイユと、「 イングリッシュ・ペイシェント 」で助演のオスカーを獲得したジュリエット・ビノシュです。


 テレビ局の人気キャスター・ジョルジュ(ダニエル・オートゥイユ )は、編集者の妻アン(ジュリエット・ビノシュ )と一人息子ピエロ(レスター・マクドンスキ)の三人で平穏に暮らしていた。そんなある日、一本のビデオテープと不気味な絵が何者かによって送りつけられる。テープには、ジョルジュの家の前の風景が延々と撮影されていた。それから次々と届くテープには、徐々にプライベートな風景が映し出されるようになり、一家は身の危険を感じ始める。そんな中、ジョルジュは子供時代の“ある出来事”を思い出していく…。


確かにラストは、「衝撃のラストカットを見逃すな!」という映画のキャッチ・コピー通りだったかな??
でも、だからどうしたの??という疑問も浮んできます。
実際この映画は沢山の勝を撮ったみたいですが、評論家の似間でも意見は分かれているようです、僕の師匠のおすぎさんは「この映画の面白さが全く分からなかった」と、この映画を切り捨てているそうです。
ぼくもあまり意味が良くわからなか分からなかったですが、おすぎさんが言ったほど”つまらない映画”とも思えませんでした。
オープニングから「テープの故障??」という映像から始まります、全編を通してあふれんばかりの緊張感を保たせる映画でした、映画は静かに染み入るように進んで行きました。
ビデオを送りつけてきているのは誰なのか、ジョルジュの過去へと押し込めたはずの記憶とは何なのか、それが映画を見て行くうちに明らかになってきます。
その答えは少し足りない気もしますが、監督は「僕は映画を使って答えを示すのではなく、問題提起がしたいのです」 、「最近の若者は答えを出してもらうことに慣れてしまっている」、「僕が観たいのは、映画を観終った人たちが、この映画に対して様々な議論を交わしている姿なんです」 と言っていたとか。
確かに物語が進んでいっても僕達が求める答えはハッキリとは出てこないように思いました、運よく「衝撃のラストカット」を見つけられたぼくでも・・・・・。
ダニエル・オートゥイユ は、段々おかしくなっていく哀れな大人を上手に演じていました、過去の疾しい記憶を引きずった。
ジュリエット・ビノシュは「ポンヌフの恋人」の頃も懐かしいですが、少しフックラとして色気も出てきましたね、演技もやっぱり上手かったです。
「衝撃のラストカット」ですが、ぼくはビデオを5回くらい見なおしてやっと分かりました、分からなかった人も沢山いたようですが、中には劇場で運よく見つけたという人もいました。
それを分かる人と分からなかった人とでは、答えに結びつくヒントが少し違ってくるように思います、でもそれは子の物語の”答え”を紐解く鍵が一つ増えただけで、やはり見るこちら側にその答えを考えさせるような作りになっています。
下手なホラー映画よりも恐ろしいかもしれない、スプラッター・シーンも出てきたりします。
お勧めします、答えがハッキリとはしませんが、優秀なミステリー・サスペンスになっていると思います。