 | この映画はドキュメンタリーではなく、フィクションのドラマです。 今も祖先の伝統を守って生きるマサイ族の少年たちが、雨を呼ぶために伝説の獅子ヴィチュアを倒す物語です。様々な危険を経て、少年たちが青年へと成長していく姿を描いています。 登場人物に、本物のマサイ族を起用した、映画史上初の作品です。 僕はあまりにもちゃんと演技していたので、何人かは俳優さんなのかと思っていましたが、皆れっきとしたマサイ族の少年達だそうです。 マサイ族の間でも、一部学校教育が始められていますが、この「マサイ」に出演した彼らは、今も映画と同じ生活をしているのだそうです。 もちろん、映画出演も演技も初めての挑戦です、本当に皆演技をきちんとしていました。 この奇跡のような作品を成功に導いたのは、パスカル・プリッソン監督です。12年以上に渡りアフリカでドキュメントを撮り続け、マサイ族との信頼を築き上げたとか!! そんな彼だからこそ、実現した偉業でしょう。脚本は、『キャラバン』で知られるオリママサイ族のサイ族のヴィエ・ダザです。
マサイ族の少年のメロノ(マイナ・マコ )とロモトゥーン(パルカシオ・ムンテット )。裕福なロモトゥーンと羊飼いのメロノは、身分は違うが幼い頃からの親友同士だ。その年、サバンナは干ばつに襲われた。伝説の獅子、ヴィチュアを狩り、たてがみを神に捧げれば、雨は戻ってくると村では信じられていた。村を救うため、9人の少年たちが、ヴィチュアを倒す戦士として選ばれた。メロノとロモトゥーンも選ばれ、真の「マサイの戦士」になるため旅立った・・・。
いやぁ、マサイ族のイメージが変わりましたね、確かに皆スマートでしたけど。 マサイ族の伝統的な色は赤で衣服や化粧にはほとんど赤が使われているそうですが、それほど赤い衣装が強調されてはいないし(最後には赤い衣装は出てくるんですけど)、ジャンプや背の高さも強調されてはいません。 干ばつに困った村のために、9人の若き戦士達が選ばれて、伝説の獅子”ヴィチュア”のたてがみを手に入れるために苦しい旅に出ます。 ただそれだけのことなんですが、凄くドラマティックなことに感じられます、実際にストーリーもドラマティックと言えるものでしたし。僕はハッピー・エンドでも良かったと思いますが。 ない物ねだりなのでしょうが、きっと彼等のパソコンや携帯とは無縁の生活にも憧れたりします、時間の流れがこちらとは違う気がします。 主題自体はどうってことはないかもしれませんが、独特の世界観と世界の大きさを感じさせてくれる作品でした、お勧めします。
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