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「アメリカ,家族のいる風景」をお勧めします。

こういう役は、サム・シェパードカッコいいです。

画像:america002.jpg説明
2006年のカンヌ国際映画祭でも大きな拍手で迎えられたヴィム・ヴェンダース監督、期待の新作です。監督曰く「『パリ、テキサス』での仕事が“完璧な体験”であったため、20年もの間、再び組むことに躊躇していた」というサム・シェパードが脚本を手掛けました。
「『パリ、テキサス』にサム・シェパードなんか出てなかったよなぁ」と思っていたら、『パリ、テキサス』でも脚本を担当していたそうです。ヴェンダースは彼に主演を懇願したそうですが、サム・シェパードは「自信がないから嫌だ」と断っていたとか、僕はハリー・ディーン・スタントンで面白かったですけどね。
サム・シェパードは広大で空虚な砂漠、ひと気のない田舎町、寂れたアメリカの原風景を書くのが好きなんですね。
その中で彷徨う主人公ハワード・スペンスを演じています、ヴェンダースにとっては彼に作品の主役を演じて欲しかったんでしょうね。
共演にサム・シェパードの私生活のパトーナーでもある、オスカー女優のジェシカ・ラング、こういう役は可愛く演じられるサラ・ポーリー、怪優ティム・ロスにエヴァ・マリー・セイントなど、出演陣は凄く豪華でした。
“ある家族”の痛みと困惑と喜びの姿を、60歳を迎えたヴェンダースが元気に監督徳してます。


 西部劇のスターだったハワード(サム・シェパード)は、新作の撮影現場から突然逃げ出し、故郷に向かう。そこで彼は、久々に再会した母から驚きの事実を聞かされる。彼の子供を身ごもったというモンタナの女性から連絡があったというのだ。ハワードは自分の子供を探し出すため、モンタナ州ビートの町へと車を走らせる。昔の恋人との不安まじりの再会、息子の反発、骨壷を抱えた不思議な少女との出会い。ハワードの心の孤独は深まるばかりだが…。



もっとヴェンダースお得意の「ロード・ムービー」になるのかと思っていたら、ヴェンダースの先日褒めた「ランド・オブ・プレンティ」とは逆ですね。
「ランド・オブ・プレンティ」は後半がロード・ムービーですが、この「アメリカ,家族のいる風景」は前半がロード・ムービーでしたね、もっと旅などのシーンが多かったら良かったと思いました。
デキはそんなに悪くないとは思いますが、ヴェンダースがそこまでサム・シェパードに惚れ込んだ割には、”大感動”って感じはしませんでしたね、「ランド・オブ・プレンティ」の方が良かったかな??
でもサム・シェパードの”落ちぶれた西部劇スター”はピッタリでした、ヴェンダースが彼にこだわった気持ちが、分かるような気がしました。
はじめはいきなり父親となって困惑するものの、その現実を受け止めて次第に”父親”としての役割に目覚めてそれを果たそうとする、無責任な男の姿を上手く演じていました。
やっぱり「ステルス」とは比べ物にならなかったほどカッコいいサムが見られたし、物静かな娘役のサラ・ポーリーも良かったです、ジェシカ・ラングも流石の貫禄でした、お勧めします。