 | 「声を重ねてゆくことは心を開いて受け入れること。」 苛めも暴力も嫉妬も越えて奏でられる美しいハーモニーに心を奪われるこの作品は、本国スウェーデンで大ヒットを記録して、歴代スウェーデンの3位の記録を樹立したらしいです。 さらには、2005年アカデミー外国語映画賞ノミネートの快挙を達成しました! ストーリーの説明だけ聞くと、「コーラス」の二番煎じかと思ってしまいますが、この作品では子供ではなく大人達の生活に主人公が変化をもたらすというものでした。
天才指揮者のダニエル・ダレウス(ミカエル・ニュクビスト )は心身共に疲れ果て現役を退いた挙げ句、田舎の小さな村に移り住む。そこはかつて、少年時代を過ごした場所だった。静かな余生を送るつもりが、是非にと請われて村の聖歌隊を指導をすることに。眩しいほどの生命力に溢れたレナ(フリーダ・ハルグレン)や、夫の暴力に耐えながらも美しい歌声を聞かせるガブリエラ(ヘレン・ヒョホルム )らメンバーたちを知るに連れて、ダニエルは改めて自分のつくりたい音楽を目指すようになる。
ミカエル・ニュクビストが熱演する音楽家ダニエルの出現が、小さなコミュニティの成り立ちを脅かしました。 絶対だと慢心してきた神父の地位が揺らぎ、従順だった妻が夫の新婦に反旗を翻したように思いの丈をぶちまけたり、DVの夫から妻を救ったり。 純粋で情熱的なダニエルも孤独が染みついた生き方に決別し、彼等片田舎の聖歌隊の声は力を持って生きる歓びをもたらし、人の声に勝る楽器はないことを確信させてくれます。 でも、正直ストーリーはまとまっていないと感じました、ラストもなんか違和感がありましたし。 少しネタバレに成ってしまうかもしれませんが、ああいうラストにしたいのならラスト間際に幸せなシーンを無理に作るのは良くないと思います、コーラス・声が素晴らしいと言う事は伝わってきましたが。 それまでつまらなかった映画が「素晴らしいラスト」で面白いと思える映画もありますが、「つまらないラスト」がそれまで面白かった映画も台無しにしてしまうこともあります、僕が「ハッピー・エバー・アフター好き」というのもあるかもしれませんが。 ラストは納得行きませんが、いい映画だとは思います、お勧めはしておきます。
この作品を見ると、いかに「コーラス」という映画が素晴らしかったかが分かります。
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