 | ダニー・ボイル監督が「自分の子供たちに堂々と見せられる映画を」という観点から、メガホンを握ったこの「ミリオンズ」という作品は、監督の故郷イングランド・マンチェスターを舞台にしたファンタジー色溢れる作品です。いつもの毒っ気タップリな彼の作品とは、一味違った優しい作品だなぁと感じました。 幼い兄弟を主人公に、ファンタジーの色づけがされているというと、ただひたすらに優しい作品が浮かびそうですが、そこは天下のダニー・ボイル。 独特の映像センスやテンポは本作品でも健在で、単なるファンタジーには終わっていませんでしたね、でもファンタジーしてました。 また、信心深い男の子ダミアンを演じたアレックスがとにかく魅力的でした、かなりまの美少年でしたが、単なる美少年というだけでは片付けられない、不思議゛な魅力を持った少年でした。そばかすいっぱいの愛らしい顔とまっすぐな瞳で、大金が引き起こす騒動をまっすぐに見つめています。 大金は人を幸福にするのか? 目の前に大金が降ってきたら? 不思議な魅力を感じさせるユニークな作品でした。
8歳のダミアン(アレックス・エテル )は信心深い男の子。現実主義者の10歳の兄アンソニー(ルイス・オーウェン・マクギボン )との2人兄弟だ。母を亡くした彼らは、父ロニー(ジェームズ・ネスビット )と共に新しい街に引っ越すことに。引っ越しで使った段ボールで線路近くに秘密基地を作ったダミアン。その中にいると突然大きなスポーツバッグが降ってきた!! 中には大量のお札が!! しかしイギリスの紙幣はユーロに変わる目前。ポンド札は、数日後には紙くず同然。早速、兄のアンソニーはお金を使い放題し始める。一方、ダミアンはこの大金を、貧しい人に与えるための神様からの贈り物だと思う。
いやぁ、ダニー・ボイルってこんな作品も作れちゃうんだなぁと思いました、それくらいダニー・ボイルっぽく無かったかもしれません。 「トレインスポッティング 」や「 28日後... 」のイメージが強かったもので・・・・、でも「普通じゃない 」といったラブ・コメディもつくれるから、不思議ではないんでしょうね。 主人公のダミアンが、ひたすらに”キリスト”を信じるところは「サイモン・バーチ」のサイモンにも似ていました。 僕はあんまり宗教的な映画は好きではないんですが、この「ミリオンズ」も「サイモン・バーチ」も、とても面白くて好きでした、「サイモン・バーチ」はとてもいい映画なので、良かったらご覧になってみてください。 ダニー・ボイルが、「自分の子供たちに堂々と見せられる映画を」つくりたいと言った気持ちが伝わってくるようでした、ラストまで本当にホッコリと暖かい映画でした。 ダニー・ボイルの新しい一面を見る事が出来たと思っています、お勧めします。
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