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「オリバー・ツイスト」をお勧めします。

ロマン・ポランスキーの手で、また映画化されました。

画像:oliver001.jpg説明
これまで何度も映像化されてきた、文豪ディケンズの名作に21世紀の今、ロマン・ポランスキー監督が緻密かつ大胆に挑戦した作品でした。
僕はこの作品てみたつもりだったんですよね、アニメ版も見たはずだったんですが・・・・。あまり見て覚えがなかったと言うことは、僕の思い違いだったのでしょう。だからとても新鮮に映りました、同じディケンズ物としては『クリスマス・キャロル』も映画化されていますね、『大いなる遺産』はイマイチだったかな?
ひたすら無力だけど、無垢で善良な主人公像は、前作『戦場のピアニスト』にも通じるものがありましたね。
愛されたことがないゆえに、どんな小さな親切も心に刻み、たとえ悪党であっても、自分を受け入れて面倒をみてくれたフェイギン(ベン・キングスレー)の恩義を忘れないオリバー君。
この大役に大抜擢された青白き少年バーニー・クラークが、ほろほろと静かに、涙を流して哀れを誘います。魔法使いや派手な仕掛け抜きでも、ロマンスキーは素晴らしい映画に仕上げてしまう、やっぱり彼の才能って素晴らしいなと思いました。


 
 19世紀の英国。救貧院に連れて来られた、オリバー・ツイスト(バーニー・クラーク) は、粗末な食事に腹をすかせた孤児を代表してお粥のおかわりを要求し、追放処分になる。一旦は葬儀屋に奉公するが、不当な仕打ちに耐え切れず逃げ出してしまう。行く当てもない天涯孤独な身の上では、目の前に延びる街道を遥かロンドンまで、目指すしかなかった。7日間歩き通して、大都会に辿り着いたオリバーは、スリの少年ドジャー(ハリー・イーデン )に拾われ、食事と寝床にありつけるからとフェイギン(ベン・キングスレー)という男に引き合わされる。オリバーは、フェイギンが束ねる少年スリ団のリーダー、ドジャーと行動を共にするのだが…。



まずオリバーを演じたバーニー・クラークの健気さに、思わず感心させられてしまいます。バーニー・クラークがあまりにも薄幸の美少年に見えてしまうからだと思いますが、彼の名演技ににもドキリとさせられましたが。
ベン・キングスレーもさすがでしたね、どんな映画に出ようともこの人の凄いと思うところは、決して手を抜いたような演技はしないって事。こういう姿勢ってね、結構大切だと思いますよ。
ラストにオリバーがブラウンローさんと、フェイギンに会いに行くところがあるのですが、そこでの演技は凄みさえ感じさせられる素晴らしい演技でした。
脇をかためる役者さん達の演技もお見事、とくにドジャーを演じたハリー・イーデン
は良かったと思います。
ポランスキー発の文芸作品、なかなか感動する作品になっていました、お勧めします。