 | 『アメリ』で世界に旋風を巻き起こしたジャン=ピエール・ジュネ監督とオドレイ・トトゥが、再びファンタジックな物語を運んできました。この作品はフランスのミステリー作家、セバスチャン・ジャプリゾの小説で、「長い日曜日」を映画化したものです。『アメリ』では「不思議ちゃん」な魅力を発揮したオドレイでしたが、今回は、直感と願掛けを信じて突き進む女性を、可憐に、そして気丈にヒロインを演じています。 正直「アメリ」には、あまり感動しませんでしたが、この作品は良かったです。 戦闘シーンや殺人事件など、時にグロテスクな映像もジュネ監督独特の、魔法のような映像美がミステリアスに包みこみます。僕は「デリカテッセン」や「エイリアン4」、「ロスト・チルドレン」など彼の作品が大好きです、アメリは例外で駄作とは思わなかったけど事前にいいと聞いていたので期待が大きすぎて好きではなかったのかも知れません。 オドレイの周囲を固める役者たちには、ジュネ監督お気に入りで、かつ曲者の個性派揃いです。ドミニク・ピノンやティッキー・オルガド、ドニ・ラヴァンや若手女優マリオン・コティヤールも登場します。僕はこのマリオン・コティヤールが大好きなので嬉しかったです、結構重要な役どころでしたし。さらにハリウッドの超大物女優の出演も、複雑に入り乱れる人間関係に華を添えましたね、ロン・パールマンが出ていなかったのが悔やまれます。 第一次世界大戦。戦場を抜け出すため自らの手を撃った5人のフランス兵が、死刑を宣告された。終戦後、5人の中の1人、マネク(ギャスパー・ウリエル)の婚約者だったマチルド(オドレイ・トトゥ)は、戦場で彼を見たという元伍長の話を聞く。マネクは生きている…そんな直感を頼りに、私立探偵のピールを雇い捜索を続けるマチルドだが、様々な人の証言をたどり続けても、依然マネクの行方はつかめない。そんな頃、マチルドの元に決定的な証言が飛び込んできた・・・。 戦争シーンも結構ナマナマしいですが、ジュネ監督お得意のユーモアも効いています。 ただ健気に恋人マネクの生存を信じて帰りを待っている、マチルドは可愛らしく見えました。マリオン・コティヤールに超大物女優も良かったですね、二人とも登場シーンは少ないものの、マリオンは強烈な個性を発揮して散るし、超大物女優もハリウッドでは決して頼まれないような役を上手に演じています。 ちょっと人が多くて覚えるのが大変ですが、なかなか可愛らしくて面白い作品になっていると思います、マチルドの”おまじない”も可愛いです、お勧めします。
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