 | 第76回アカデミー賞オリジナル脚本賞候補になった他、数々の映画賞を獲得した人間ドラマです。以前”2004年度初見の映画ベスト5”で、イギリス映画恐るべし!と書きましたが、この作品はロンドンの移民社会をとりまく過酷な現実を、臓器売買などの社会問題を交えてリアルに描きだしています。 監督は『がんばれ、リアム』の名匠スティーヴン・フリアーズ。主演は『アメリ』で一躍世界のスターとなったオドレイ・トトゥです、『アメリ』などのキュートなヒロインぶりから一転、シリアスな役柄に挑み新境地を開きましたね。彼女の『アメリ』はそんなに僕は皆が騒ぐほどいい映画だとは思いませんでしたが、その他の映画では色々な役を演じているんですよね、なかなかだったと思います。共演には『ラブ・アクチュアリー』のピーター役のキウェテル・イジョフォーやセルジオ・越後(ロペス)、ソフィー・オコネドーなど実力派が名を連ねています。
イギリス、ロンドン。移民も多いこの街に暮らすシェナイ(オドレイ・トトゥ)も、トルコからパスポートを持たずに渡って来た不法滞在者。ホテルのメイドの仕事に就いて何とか生計を立てていた。そんな彼女の夢は従姉妹のいるニューヨークへ行き自由を手に入れること。一方シェナイの同居人、オクウェ(キウェテル・イジョフォー)もまた不法滞在者のアフリカ人。夜はシェナイと同じホテルの夜勤係、昼間はミニキャブの運転手として働いていた。ある日、ホテルの一室で人の内臓を発見したオクウェは、ここで違法な取引が行なわれていると感づきホテルの支配人に警察へ連絡するよう進言するのだったが…。 ロンドンのような大都会でも、こういう事が行われているという現実が心に痛いです、島国のここ日本でも起こりうることですよね。結構前編シリアスなムードに覆われています、ただ最後の手術シーンは読めたけど少し面白かったです、いい気味だと思いました。 暗くて悲しい現実が描かれていますが、シェナイもオクウェもその他皆も強くて逞しくて希望を忘れません。 結構いい映画だと思います、特にオドレイ・トトゥ好きの皆さんにお勧めします。
|