>>一覧  >>修正   前へ<<  >>次へ


「アマロ神父の罪」をお勧めします。

ガエル・ガルシア・ベルナルもいいけど、アナ・クラウディア・タランコンもいいです。

画像:sweetflowergarden.jpg説明
本作ではキリスト教の現在の姿を、置かれている立場や問題を実に上手く描いていると思います、僕がキリスト教信者ではないからかもしれませんが。不正や堕落と神父と少女の愛を描いた本作ですがアメリカのみならず、メキシコ本土でも上映禁止や暴動などが起こったそうです。
主演は「モーターサイクル・ダイアリーズ」「天国の口、終りの楽園」などでも有名なガエル・ガルシア・ベルナル、共演は今の僕のイチオシのアナ・クラウディア・タランコンです。
新人神父アマロ(ガエル・ガルシア・ベルナル)はメキシコのとある小さな町の教会に見習いとして派遣される。野心に燃え従事するアマロ。そんな彼の敬虔な姿に神の姿を見出した信仰心の厚い少女アメリア(アナ・クラウディア・タランコン)は、次第に心惹かれていく。町に滞在してしばらくすると、アマロは教会の様々な裏の出来事を知ることになる。思い描いていた理想と現実のギャップに悩むアマロ。そしてアメリアへの想いを押さえることが出来ず、ふたりは肉体関係を結ぶ。しかし、その先に待ち受けているのは幸せな未来ではなく、厳しい現実と数々の問題だった…。
アマロ神父を演じるガエル・ガルシア・ベルナルの表情が、段々と悪事に手を染めていくとその表情も変わっていくのは素晴らしい!視線だけの演技など、とても上手だと思います。アナ・クラウディア・タランコンは16歳の敬虔なキリスト教徒を瑞々しく演じています、とても爽やかで本当にいたいけな少女という感じがします、本当は22歳とのことですが。
ポルトガルの文豪エッサ・デ・ケイロースが1875年に発表した同名作品「アマーロ神父の罪」を映画化したものとのことですが、当時もかなりキリスト教徒からの弾圧などを受けたらしいです、当時からキリスト教ってゆがんでいたんですね。
『困った時の神頼みを許してくれるのが神様』だと信じている僕には、『俺だけを信じていれば時には救ってやる』なんて言うやつは神様なんかじゃないと思っているので、そういう宗教の現実を上手く描いていると思うこの作品はとてもいいと思います。
でも実際のキリスト教徒にとっては、この手の作品はタブーだそうです、同性愛者の神父が苦悩する映画にも抗議していましたもんね。今年のオスカーでも『パッション』が、主要部門でことごとく無視されていましたもんね。
因みにアナ・クラウディアは1980年5月1日生まれの松坂世代で、ハリウッド映画への出演のオファーも来ているらしいです、早くまたその清らかな美しさを魅せて欲しいです。
明るい結末ではありませんが、メキシコや現在のキリスト教の影の部分を見せつけられるような映画です、是非お勧めします。