説明 |
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マカロニ・ウェスタン3部作や「ダーティハリー」で世界的な人気スターの座を築き、初期は何かと暴力的でマッチョなイメージがつきまとったクリント・イーストウッド。そんな彼が近年の監督作ではむしろ、暴力がもたらす影響の重大さを深く問い直す傑作を数多く手がけていることは映画ファンなら周知の事実。本作で彼が演じてみせた、孤独で偏屈な老主人公は、そうした彼の長年の映画人生の蓄積の上に生み落とされた総決算ともいうべき役柄。その潔くもカッコイイけじめのつけ方には、ただただ感服・脱帽するのみだ。 自動車工の仕事を引退後、長年連れ添った妻にも先立たれてしまった、孤独で頑固な老男性ウォルト(クリント・イーストウッド)。彼の暮らす界隈は最近はすっかり様変わりして、黒人やヒスパニック、アジア系の住民たちで占められるようになり、彼の不平不満は溜まる一方。そんな彼の唯一の心の友は、1972年製のフォードのヴィンテージ・カーである愛車、グラン・トリノ。ところがある日、その大切な愛車を隣人のアジア系移民モン族の少年タオ(ビー・ヴァン)が盗もうとし……。 |