説明 |
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「かもめ食堂」では、北欧のフィンランドを舞台に“おいしい生活”を魅力的に描いて好評を博した荻上直子監督が、今回はどことも知れぬ南の海辺の小さな町を物語の舞台に、またしてもユニークな世界を構築。気ままな一人旅でふらりとその地にやってきたヒロインが、そこで生活する人たち独自のゆったりとしたリズムに当初は戸惑いつつも、次第にそれに馴染んで心の解放感を味わうようになる様子を淡々と静かに綴る。前作に続いて小林聡美、もたいまさこが登場するほか、光石研、市川実日子、加瀬亮らも好演を披露。 春、とある南の海辺の町にふらりと一人旅でやってきたタエコ(小林聡美)は、ハマダという名の民宿に逗留。けれども、宿の主人ユージ(光石研)やどこか不思議な女性サクラ(もたいまさこ)とちぐはぐなやりとりが続き、居心地が悪くなったタエコは、別の宿マリン・パレスへ移ることにしたものの、そこの女主人も独特のキャラの持ち主で、早々にUターンするはめに。その後、再びハマダで時を過ごすうち、次第にタエコもそのゆったりとした生活リズムに馴染むようになる。 大ヒットした「かもめ食堂」の荻上直子監督が再び小林聡美を主演に迎え、のどかな海辺の町を舞台に描くスローライフ・ムービーでした、今度は共演に光石研や市川実日子に加瀬亮とそれからやはりもたいまさこさんでした。 春まだ浅い南の小さな海辺の町。空港に一機のプロペラ機が着陸し小さなバッグを手に降りてきためがねの女性は迎えの人に深々と一礼する、同じ飛行機から降りてきたもう一人の女性小林聡美演じるタエコは大きなトランクを引きずりながら、地図を片手に不安げに向かった先は小さな宿ハマダ。 出迎えたのは宿の主人の光石研演じるユージと犬のコージで、翌朝寝ていたタエコは足元にたたずむ常連客もたいまさこ演じるサクラの唐突な朝の挨拶に度肝を抜かれる、その後も不思議な体操や奇妙な人たちの言動にペースを狂わされてばかりのタエコは、ついにたまりかねて宿を替えることにするのだが・・・。 日本映画の最高傑作の一つだと思っている『かもめ食堂』のスタッフ・キャストによる作品とのことだったので、かなり期待をして見ましたがなかなか楽しい作品でしたが『かもめ食堂』と比べるとやはりもう一つでしたかね、それでも南国に来て少しずつ奇妙な人たちと触れ合って変わって行く姿や南の島の雰囲気に触れていくうち、ハマダのオーナーの光石研演じるユージやもたいまさこさん演じるサクラらに影響を受ける、タエコを『かもめ食堂』の小林聡美さんが上手に演じていました。 都会から何かを求めて南の海辺の小さな宿にやって来た一人の女性小林聡美演じるタエコが、揃いも揃って風変わりな周囲の人々ハマダの主人光石研演じるユージやもたいまさこ演じるサクラらに戸惑いながらも、少しずつ彼らののんびりしたペースに馴染んでいくさまを淡々とユーモラスに綴っていましたが、『かもめ食堂』よりもシュールで出演陣の魅力に頼っている印象を受けました。 『かもめ食堂』ではもてなす側・受け入れる側にまわっていた小林聡美がのんびりした南国に行き、もたいまさこさん演じるサクラの自転車に大きな鞄を捨てて乗り込む小林聡美演じるタエコが、この映画の主張を意味しているのでしょうがそれなりに面白かったし悪くはなかったんだけど、やっぱり小林聡美さんやもたいまさこさんらの個々の魅力に頼ることが大きかったように感じました。 あのヘンテコな体操もそうですが“もたいまさこ”さんというそこにいるだけで・見ているだけで思わず微笑んでしまうという非常に稀有な女優さんと、“普通の女性”を演じてもどこか可笑しい小林聡美さんの魅力によるところがこの映画の成功に一役買っていると思います。 まさか薬師丸のピロ子チャンに会えるとは思っていませんでしたが、遅刻ばかり繰り返している市川実日子演じるハルナやタエコの後を追ってきたビールばかり飲む加瀬亮演じるヨウジなど、出演陣も良かったですが『かもめ食堂』よりはイマイチでした、お勧めします。 |