説明 |
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当初の全米公開館は僅か4館ながら、評判が全米へさざ波のように広がっていった、小品ながら本物の感動作。人種のルツボともいわれるNYで偶然から出会う、主人公の大学教授と、不法移民である青年とその恋人という3人。不法移民であるがゆえ青年を待ち受ける過酷な運命と、それを回避しようと奔走する教授。彼らの苦悩に大きく感情を揺さぶられる。映画界で大作主義が広がる一方、こういうテーマを扱わせるとやはり米映画は侮れない。俳優歴40年にしてこの主人公役にめぐり会えた、ジェンキンスの熱演にも間違いなく逸品の輝きがある。 ヒアム・アッバス コネティカット州の大学で働く62歳の経済学教授ウォルター(リチャード・ジェンキンス)は妻の死後、孤独な毎日だったが、NYにある別宅のアパートを久しぶりに訪れると、シリア出身の移民青年タレク(ハーズ・スレイマン)とその恋人ゼイナブ(ダナイ・グリラ)が不法滞在していた。最初は2人を追い出そうとしたが、彼らに同情し、しばらく部屋に住まわせことにするウォルター。タレクからジャンベ(アフリカン・ドラム)を叩く楽しみを教わるが、タレクは不法移民として当局に逮捕されてしまい……。 初老の大学教授と移民青年との心の交流を描いた感動ヒューマン・ドラマです、妻を亡くして以来心を閉ざす孤独な男がひょんなことから出会ったジャンベ(アフリンカン・ドラム)奏者との友情を通じて、次第に本来の自分らしさを取り戻していく姿を9.11以降非常に厳格な措置を講ずるようになったアメリカの移民政策を背景に綴っていました。 コネティカット州の大学で教鞭を執る62歳の経済学教授リチャード・ジェンキンス演じるウォルター。愛する妻を亡くしてから孤独に生きてきた彼はある日学会出席のためニューヨークへ、そこで別宅のアパートを訪れるとシリア出身のハーズ・スレイマン演じるダレクとセネガル出身の恋人ダナイ・グリラ演じるゼイナブが滞在していた。 しかし彼らはこの時はじめて詐欺に遭っていたと知りグリーンカード(永住許可証)を持たないために警察沙汰などを恐れ、素直に去っていくがあてのない2人を見過ごせなかったウォルターはしばらく部屋に泊めることに。 そのやさしさに感激したジャンベ奏者のタレクからジャンベを教えられ友情を育んでいくウォルター、ジャンベをたたく楽しさを知った彼は再び生きる喜びを見出し閉じていた心の扉を開いていくのでしたが・・・。 この演技でアカデミー賞の最優秀主演男優賞にノミネートされたリチャード・ジェンキンスが、自分の所有していたアパートにイワンという奴に騙されて住み着いていた、シリアの青年タレクという青年と最初は楽器を通してですがやがてタレクの母モーナとも心を通わせていく物語なんですが、これも見終わってからお勧めしようと思った作品で大作ではありませんでしたが素晴らしかったです。 リチャード・ジェンキンス演じるウォルターは妻を亡くしてから何気なく毎日を過ごしていましたが、シリア出身のタレクとセネガルのゼイナブと出会ったことからジャンベという楽器を覚え、タレクが不法滞在で捕まってしまったタレクを助けようと苦心する所にタレクの母モーナがやってきます、この母ヒアム・アッバス演じるモーナとの出逢いもウォルターを変えていきまたモーナも変わっていきます。 何と言ってもタレクのジャンベというコンガに似た楽器の演奏も素晴らしかったですがタレクとゼイナブの性格も良かった、オスカーにノミネートされたリチャード・ジェンキンスの抑えがちで控えめに映る演技が素晴らしかったです、誇り高い青年タレクやゼイナブにやっぱり誇り高いタレクの母モーナとの交流も素晴らしかったし、何時もはチョイ役でも深い味わいを残すリチャードですが主演としても素晴らしい余韻を残してくれました、これまた誇り高いタレクの母モーナを演じたヒアム・アッバスもとても良かったです。 『楽器を習得するには歳をとりすぎ』だとピアノの教師に言われてもウォルターには諦めたくない理由があったし、クラシックの4拍子とは違いアフリカの音楽の3拍子タレクにジャンベを必死に習うウォルターは格好良かった、タレクやモーナの口癖“ハビティ”やゼイナブや隣の露店のゼブの皮肉交じりの投げき節も笑えました、ラスト・カットも印象的でなかなか素晴らしい映画でした、お勧めします。 |