 | オランダーとは「夾竹桃」のことで、美しいが強い毒持つ白い夾竹桃(ホワイト・オランダー)の花にも似た、母と娘の愛憎劇です。 この作品は素晴らしいと思います、こういった主題のドラマとしては秀逸で、全くダラッとしたりこちらが飽きてしまうようなところがありませんでした。僕には感じられなかった、と言った方がいいかな? 「アイ・アム・サム」や「ウルフ」等でお馴染みのミシェル・ファイファーが美しいが独善的な母を、「ザ・エージェント」や「シカゴ」のレニー・ゼルウィガー(本当はレニーとレネーの中間の発音らしいですがレニーの方が可愛いのでこれで通します)、「シーズ・ソー・ラブリー」や「メッセージ・イン・ア・ボトル」等のロビン・ライト・ペンといった共演陣にも支えられ、主人公のアストリッドを若手のアリソン・ローマンが熱演しています。最初は"アンナ・パキン"に似た可愛らしい娘だと思って観ていましたが、次第に彼女の魅力にはまってしまいました、彼女の可愛らしさと演技の上手さに。 独善的なシングルマザーでアーティストのイングリッド(M・ファイファー)はある日、恋人を殺して逮捕され、15歳の(アリソンは当時21歳だったそうです)美しい娘アストリッド(A・ローマン)は3人の里親のもとを転々と渡り歩く事に。次第に新しい家族の下で成長していくアストリッドは、「自分だけを信じなさい」と諭す実母イングリッドの呪縛から逃れようとする・・・。 とにかく女優陣の熱演がキラリと光る映画です、ミシェルもレニーもロビンもアリソンも上手い、素晴らしい演技のぶつけ合いを見せてくれます。 結構ミシェルについての厳しい評価がありますが、僕は大好きですし演技もとても上手だと思います。「彼女の演技は」なんて偉そうに行っている人達は、「ホワット・ライズ・ビニーズ」や「ウルフ」しか観ていないで言ってるんだ、間違いない。「恋のゆくえ」や「ラブ・フィールド」、「アイ・アム・サム」「アンカーウーマン」も観なさい。因みに僕は誕生日が一緒です、干支も同じだったりします、血液型は死ぬほど検索しましたが分かりませんでした。それと僕が退院して復学した時に、大好きになった人に似ているんですよね、それも大好きな要員の一つだと思います。 本当に美しいです、ハリウッドでもミシェルの美しさに対等に戦えるのはシャーリーズ・セロンだけでしょう、氷のような美しさと強さ、はかなさと危うさを併せ持ったイングリッドを熱演しています。”ホワイト・オランダー”は彼女に相応しい題名だと思います、私情抜きでそう言えます。 レニーが演じるのは二人目の里親でアストリッドと心を通わせる女優のクレアを演じています、やっぱり彼女の演技は凄いですね、愛情豊かだけど少し弱い母親役を好演しています。期待していたのですが、約20分ほどの出演、でも存在感は際立っていました。 実はこんなにこの作品の紹介が遅れたのは、レニーが出演していた「悪魔のいけにえ4・レジェンド・オブ・レザー・フェイス」を観たかったからなのです。 この映画の中でクレアが若いときに出演したホラー映画のワンシーンが流されます、レニーは「こんな役でも大変なのよ」みたいな事を言うのですが、これはレニーが出演した「悪魔のいけにえ4・レジェンド・オブ・レザー・フェイス」ではないかと思って確かめたかったのです。 僕がこの映画を観たいと思ったのは「ザ・エージェント」を観た後スグでした、まだレニーもメジャーでは無い頃でレンタル屋さんに白い目で見られながらも必死で探しました。何件か回っても一向に見当たらず諦めていました、ところがクレア役のレニーがアストリッドに自らが出演したホラー映画のシーンが出てきて、これは観るしか無いと思ってオークションで手に入れました。もちろんDVD化はされていません、マシュー・マコノヒーも出演していてレニーと二人して演技の上手さを見せ付けています、でも映画はつまらなかった。しかしやはりクレアがアストリッドに見せていたのは、彼女が実際に出演した「悪魔のいけにえ4・レジェンド・オブ・レザー・フェイス」でした。 「シャーク・テイル」の広告ではすでに”レネー”となっていましたが、レニーの演技は素晴らしかったです、出演時間が短いのは仕方がありません、それにしてもキュートで演技が上手い! そしてロビン・ライト、この映画で一番素晴らしい演技を披露してくれたのは彼女かもしれません。僕も最初は「これロビン・ライトかよ?」と思いました。アリソンも「ロビンが演じたスターという役柄は、実際の彼女とは全く正反対だったと思います。 しゃべり方から振舞い方などは、撮影前に会ったときとは全然違って、まさに役そのものだった。彼女は現場に入ってきたときから既に役になりきっているような女優さんだったわ。」と言っていました。 ロビン・ライトはスターという元ストリッパーで今は敬虔なクリスチャン、ネタバレになってしまいますが嫉妬心からアリソンを銃で撃ってしまいます。 そこまでするかぁって感じもありましたが、そんなことをしそうな雰囲気の女性をサラリと演じていたロビン・ライトは凄い!流石にショーン・ペンの奥様が務まる女性です、まさにカメレオンのような女優さんでした。 でアリソン・ローマン、素晴らしかったと思います、とても可愛かったし。美しいとか凄く綺麗というわけではありませんが、とてもチャーミングな女性ですね。「マッチスティック・メン」や「ビッグ・フィッシュ」にも出演されているとか、楽しみです。 かなり難しい役どころですが、とても上手に演じていると思います、後半のちょっと物語を詰め込みすぎかな?といった感じも、彼女の演技で救われたかんじがしました、恋人役の「あの頃ペニーレインと」のパトリック・フュジットも好演、ズッシリと重いテーマの本作を爽やかな後味の残る作品に仕上げてくれたように思います。アリソン・ローマンという女優さんのこれからが楽しみです、最後に彼女の印象に残ったエピソードを。 「撮影中、レニーが毎日何かプレゼントを買ってきてくれたの。本やお花やコーヒーなど、とにかく毎日ね。レニーは、新人である私が今どういう気持ちであるかというのをよくわかってくれていて、なるべくリラックスできるように気をつかってくれたんです。」 二人はとても仲良く撮影に臨んだらしいです、しかしレニーがブリジット・ジョーンズやベティ・サイズモア当時の太目の彼女がイイと言う意見が多いのにはビックリ、どう考えてもふだんのレニーの方がいいです。 長くなってしまいましたが、この作品をお勧めします、やっぱりレニーは素敵でした。
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