 | 80才のおばあちゃんが、なんとみずからデザインも刺繍もして、高級ランジェリー・ショップをオープンすべく大奮闘する……。そんなミスマッチな取り合わせと、自身の夢の実現に向けて努力するうち、すっかり元気を取り戻していきいきとしていく彼女の微笑ましい姿が幅広い観客の共感と支持を得、本国スイスでは並みいるハリウッド製超大作を押しのけて観客動員数No.1に輝く大ヒットを記録。愛すべきヒロインを好演したシュテファニー・グラーザーは、同国では“グレート・レディ”と呼ばれて誰もが知っている国民的人気女優だ。
スイスの小さな村。最愛の夫に先立たれて以来、すっかり意気消沈し、ただ漫然と日々を過ごしていた80才の老婆マルタ。ある日、破れた旗を縫ってくれと頼まれた彼女が端切れを探すうち、かつて若い頃に作った手製の高級下着がふと見つかり、マルタは当時憧れていた、自分のランジェリー・ショップを開くという夢を思い出す。親友たちの後押しを受け、その実現に向け動き出した彼女だったが、保守的な村では周囲の反対の声も多く…。
夫に先立たれて気力を失っていたおばあさんが、若かりし頃の夢であるランジェリー・ショップをオープンさせようと奮闘する姿を、ハートウォーミングに描いた人生ドラマで監督は「ひとすじの温もり」のベティナ・オベルリです。 スイスの小さなトループ村。夫に先立たれ息子の牧師ハンスペーター・ミュラー=ドロサート演じるヴァルターのミサにも行かず、生きる意欲を持てずにただ漫然と毎日をやり過ごす80歳のシュテファニー・グラーザー演じるマルタ、ある日彼女はふとしたきっかけから若い頃に抱いた夢を思い出す。 それは自分でデザインして刺繍したランジェリーの店を開くこと、そしてふさぎがちな彼女を心配していた友人たちの後押しで、もう一度夢に向かって動き出すマルタだが昔ながらの保守的な考え方が支配的な村ではマルタのささやかな夢さえも破廉恥と非難されて・・・。 “スイス映画”を珍しく思うのは僕だけかなぁと思ったらおすぎさんや評論家の人たちも珍しいと言ってました、「マルタのやさしい刺繍」なんてありふれたタイトルだしお爺さんやお婆さんたちが主役なんで若くてカワイイ娘はあまり出演しませんが、これがストーリーもしっかりしていたしスイスの雄大な自然の美しさも手伝ってか素晴らしい映画に仕上がっていました。
友達のリージやその娘のシャーリーにフリーダは応援してくれますが、違う仲間のハンニや息子ヴァルターや村人たちは破廉恥だと反対します、この素晴しい映画は原題をユリ科の花“コルチカム”のドイツ語名(“秋の時しらず”)から取ったらしいです、花壇や鉢に植えず土や水を必要としなくても開花する珍しい植物で秋に花をつけるからこの原題になったそうです。
この映画の4人の秋を迎えてもうひと花咲かそうという女性になぞられているみたいです、夢を叶えようとするマルタを始め心配した友人リージやその娘シャーリーにフリーダにハンニが、マルタは美しい“パリのシャンゼリゼ通りに自分でデザインして刺繍をしたランジェリーのお店をオープンさせること”を思い出し、店を出す決心をするのでしたが保守的な伝統を重んじる村に現実は厳しいものでした。
とても美しいストーリーを持った映画で人間幾つになっても叶えたい夢・叶えられる夢があるものですね、勿論障害は山のようにありとくに保守的な小さな田舎の村には大変な騒ぎとなりますが、それらのエピソードが皆それぞれにあって興味津々で特にマルタのシュテファニー・グラーザー(88)がチャーミングでした、元気が出る映画でお勧めします。
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