 | 結婚や不倫、同性愛、老いなど、人には言えないさまざまな悩みや秘密を抱えながら、なお前向きに生きる女性たちの姿をハートウォーミングに描き、本国レバノンでは6か月という驚異のロングランヒットを記録。世界各国でも上映され、女性たちの圧倒的な支持と共感を集めた注目の話題作。本作で初の長編監督に挑んだナディーン・ラバキーは出演者として、既婚男性との不倫の恋に振り回される30才の独身ヒロインも見事に演じて、一躍高い評価を得た。
レバノンの首都ベイルートで小さなエステサロンを経営する30才の美しい独身女性ラヤール(ナディーン・ラバキー)は、妻子ある愛人の男性から一方的に呼び出されて束の間の逢瀬を重ねる不倫の恋に、どこか空しさを感じる今日この頃。店の従業員の1人、ニスリン(ヤスミン・アル=マスリー)は、挙式を目前に控えながら、婚約者に自分の過去の汚点をなかなか打ち明けられずに思い悩み、一方、別の従業員のリマ(ジョアンナ・ムカルゼル)は、店を訪れる美しい女性客に思わず胸をときめかす自分に当惑気味で……。
様々な宗教が共存するレバノンの国情を背景に、ベイルートのエステサロンに集うそれぞれに悩みを抱えた女性たちの恋と友情を描く群像ドラマです、監督は本作の主演も務めるナディーン・ラバキー。 30歳の独身女性ナディーン・ラバキー演じるラヤールがオーナーのベイルートの小さなエステサロン、ここに集う女性たちは明るく振る舞いながらもそれぞれに誰にも言えない秘密を抱えていて、ヤスミン・アル=マスリー演じるニスリンは結婚を前にイスラム教徒ゆえの悩みに苦しみ、ジョアンナ・ムカルゼル演じるリマは同性に惹かれる自分に戸惑う日々。 常連客のジゼル・アウワード演じるジャマルはオーディション三昧で向かいに住む老女シハーム・ハッダード演じるローズは姉リリーの世話で、そしてオーナーのラヤール自身も不倫に振り回されてばかりの毎日だったが・・・。
レバノンの首都ベイルートにある小さなエステサロンを舞台に、さまざまな悩みを抱えてそこに集う女性たちの姿を心温かい眼差しで見つめ世界中で喝采を浴びた群像恋愛劇でした、何よりも驚いたのはレバノンで“戦争以外の映画は初”というのもビックリしましたが、初めてのワリにはこんなに暖かくて楽しい作品が出来たことも嬉しい驚きでした。
レバノンで暮らす女性たちの苦悩や葛藤や恋愛模様が綴られていきますが、人種や国籍や宗教も全く違う女性たちが全世界の女性たちと同じような悩みを抱えているんだなと思いました、不倫で主人公の美容院の女主人のラヤールは悩み結婚間近のニスリンは夫に言えない秘密に悩み、リマは美しい女性に惹かれて悩みジャマルは老いに悩んでローズは姉リリーの世話に悩むといった具合に。
不倫に悩むラヤールのために店のニスリンやリマや常連のジャマルらが、勝手にラヤールの不倫相手の奥さんを店にキャンペーンと題して呼び出してしまい知らなかったラヤールは大童、しかし皆が自分なりに色々なことで悩みそれと対峙して解決しようとする姿を温かい視線で描いていますね。
ラストのニスリンの結婚式への持って行き方や盛り上げ方ももうちょっと欲しかった気もしますし、もっと分かりやすくて明るいラストにした方が良かったかなとも思いますが、ことある毎にお世話になる警察官の眼差しが優しくて温かいです、なかなか味わい深い佳作でした、お勧めします。
|