 | コンセルバトワールの実技試験で、審査員の女流ピアニストの無神経な態度に心を乱されて本来の実力を発揮できず、ピアニストへの道を諦めるはめとなった1人の少女。そんな彼女が、ある決意を胸に秘めて大人に成長し、憎き女流ピアニストに一歩一歩近づいていく様子を、プロのヴィオラ奏者であり国立音楽院の教授も務めるという異色の経歴を持つ女性映画監督ドゥニ・デルクールが、抑制の利いた演出でスリリングに描写。冷ややかな美しさの奥に恐るべき殺意を秘めたヒロインを演じるのは「ある子供」のデボラ・フランソワ。カトリーヌ・フロ共演。
物静かな少女メラニーの夢は、一流のピアニストになること。だが、コンセルバトワールの入試当日、審査員長の女性ピアニスト、アリアーヌ(カトリーヌ・フロ)の無神経な態度に心を乱されたメラニーは、散々な結果しか残せず、その夢を諦めるはめに。それから十数年後、アリアーヌの夫の弁護士事務所で働き出したメラニー(デボラ・フランソワ)は、やがて憎い相手との再会を果たし、演奏会での譜めくり役に抜擢されて次第にアリアーヌの信頼を勝ち得ていき……。
ピアニストへの夢を絶たれた少女がその原因をつくった女性ピアニストへの復讐を果たすべく、“譜めくり”となって彼女に近づき周到かつ非情な罠を張り巡らせていくさまを、緊張感あふれるタッチで綴る心理ミステリー・サスペンスでした。
物静かな少女メラニーの夢はピアニストになることですがコンセルヴァトワールの入学試験で、審査員を務める人気ピアニストのカトリーヌ・フロ演じるアリアーヌの無神経な態度に心を乱され失敗に。 夢を諦めたメラニーは十数年後美しく成長するデボラ・フランソワ演じるメラニーとなり、アリアーヌとの再会を果たして心に傷を負っていたアリアーヌに、やがてメラニーはそんな彼女の信頼を勝ち取り演奏会での“譜めくり”役に抜擢されるのでしたが・・・。
ピアニストになる夢を絶たれた少女が自分の行く手を阻んだ憎き人気女流ピアニストに接近し復讐していく様を、緊迫感みなぎるタッチで綴った心理サスペンスでしたが実はこの映画は最初紹介するつもりはありませんでした、でも内容やストーリーが変わっていて面白く今までのサスペンス・ミステリー・ホラー映画とはちょっと違っていたので、今回急遽紹介しようということになりました。
『譜めくり』と言ってピアニストのかわりにピアノの譜面をめくるという変わった仕事の女性を題材に、監督が日本の“能の持つ独特の間”を意識して取り入れたというサスペンス・ミステリー・ホラー映画でした、確かに日本のJホラーの独特の間を取り入れたと思える場合もありましたし仕返しの仕方もJホラーに似ている部分もありました、監督のドゥニ・デルクールはヴィオラ奏者で音楽教授出身の変わり種ですがもうこれが5作目の作品になるそうです。
主人公のメラニーの一流のピアニストになるという夢を打ち砕かれた復讐劇が見ものの作品でしたが、コンセルヴァトワールの試験審査員長アリアーヌの試験時間なのにサインするという失礼で無神経な態度が原因でした、だったらしつこくサインをねだったオバチャンにも復讐しろよと思ってしまいますが、メラニーは子供の頃の恨みを美しい学生になるまでシッカリと暖め続けます。
メラニーが弁護士でアリアーヌの旦那のジャンの事務所で働き始め、ジャンの息子トリスタンの子守からその弁護士の妻アリアーヌの信頼を得て“譜めくり”の仕事を受け、メラニーがアリアーヌ一家へ近付いていきそこから一家の信頼を受けて彼女の復讐劇が地味ですが地道に展開されていきます。
国立音楽院の教授で音楽家出身というの監督ドゥニ・デルクールが、独特の“間”は能を意識したそうですが確かに少しJホラーといった感じはしましたかね、ちょっとJホラーの香りも漂う一風変わったサスペンス・ミステリーでした、ホラー映画が苦手な人でも血がドバドバ出るわけでは無いのでぜひともご覧になって欲しいです。
メラニーを演じた女優の『ある子供』のデボラ・フランソワはとても魅力的で美しくて若い女性、『女はみんな活きている』のカトリーヌ・フロ演じるアリアーヌの組む三重奏のコントラバス奏者のスケベ野郎を、一撃で撃退する姿は本当に冷淡でしたしメラニーの意志の強さが分かるシーンでした、平然とアリアーヌ一家に仕返ししるメラニーは一見の価値ありです。
少し変わったサスペンス・ミステリー・ホラーでした、音楽家ならではの着眼点とアイデアが良かったです、お勧めします。 |