 | 1958年に制作された日本TV界黎明期の名作ドラマを、「羅生門」「七人の侍」など黒澤明監督作品で知られる脚本家・橋本忍が、50年の時を経て自ら脚本を書き直し、完全版として蘇らせた。「模倣犯」以来6年ぶりの映画出演となるSMAPの中居正広が、思わぬ運命に翻弄されていく男を熱演し、ドラマ「ごくせん」の仲間由紀恵が獄中の夫を救おうと懸命な努力を続ける妻を健気に演じる。さらに、巣鴨プリズンで主人公と心を通わす戦犯役で、草なぎ剛も共演。戦争のもたらす悲劇と家族愛、夫婦愛が重層的に描かれた骨太の人間ドラマとなった。
昭和19年・高知。小さな理髪店を営む豊松の元にも召集令状が届き、彼は妻の房江と息子を残して軍隊へと赴いた。翌年、無事に終戦を迎えた彼は、ようやく家族の元へと戻ってくる。だが、2人目の子供を授かった矢先、突然MPが現われ、彼を戦犯の容疑で連行する。捕虜の米兵を殺害した実行犯というのが罪状だった。二等兵に過ぎなかった豊松は、絶対服従の上官命令に従っただけだと無実を訴えるが、判決は無情にも極刑を告げる。 |