 | グループ最年長の92歳を筆頭に、平均年齢が実に80歳というコーラス隊、“ヤング@ハート”の高齢メンバーたちの元気ハツラツとした姿もさることながら、彼らの歌う曲のレパートリーが、また何ともふるっていて愉快。ジェームズ・ブラウンやザ・クラッシュ、はたまたコールドプレイの最新流行曲まで果敢に取り上げて、みごと自分たちの持ち歌に変えてしまうのだから、あっぱれの一言。誰もが見て思わず元気百倍になる、笑いと涙の感動作だ。
アメリカ、マサチューセッツ州の小さな町ノーサンプトン。“やんちゃな年金生活者たち”を中心に1982年に結成された高齢者のコーラス・グループ、“ヤング@ハート”は、指揮者のボブに率いられ、全米のみならずヨーロッパでもツアーを敢行。各地で満場の拍手喝采を浴びてきた。今年も恒例のコンサートの時期が近づいてきて、ボブの厳しい指導のもと、彼らは、日々迫りくる老いや病と闘いつつ、新曲の練習に励むが……。
コールドプレイやソニック・ユースにボブ・ディラン、ジェームズ・ブラウンといったロックを歌う平均年齢80歳のコーラス隊“ヤング@ハート”の活動を追った感動ドキュメンタリーです。
米国の小さな町で平均年齢80歳という高齢者たちからなる前代未聞のコーラス隊が、ロックの名曲を元気に歌いまくるというドキュメンタリー映画ですが、見ているこちらも思わず元気が出てくる痛快な音楽ドキュメンタリーでした、それも自分たちだって健康的な問題を抱えているのに他人の幸せ・自分たちが歌い続けることで乗り越えようと頑張ります・・・。
1982年に誕生して以来指揮者のボブ・シルマンに率いられて活動開始し、ロックンロールなそのパフォーマンスで全米やヨーロッパで“ロード・トゥ・ヘブン”などのツアーを成功させてきた『ヤング@ハート』、そんな平均年齢80歳以上のコーラス隊が主役のこの映画はそんな彼らが6週間後に迫った年1回のコンサートに向けて練習を重ね、日々に密着して老いや死の問題に直面しながらも歌うことに、情熱を注ぎ若い心とロックな気概を持ち続けて元気に生きる姿を映し出していきます。
その姿は参りましたと言うか凄いお年寄りたちのロック・コーラス・グループでしたね、このところ優秀なドキュメンタリー映画が多いですがこの「ヤング@ハート」もそんな優れた作品の一本でした、映画の中でも言われていますが『棺桶に片足を突っ込んだ』ようなお年寄りたちが現代や過去のロックやパンクにR&Bを元気いっぱいに歌います。
“やんちゃな年金生活者たち”と評される“ヤング@ハート”ですが、一番魅力的な劇団ノー・シアターの協力を得て初公演を行い4回のショーを完売してしまうほどの大成功を収めました、映画はこのコーラス隊の練習風景や隊員の私生活に公演での演奏を見せてくれますが、『この人たちは本当に平均年齢80歳のおじいちゃん?』と思えるくらい元気です、中には体調不良や体力の衰えなどでグループを離れたりする人も何人かいますがまた何年か後に活動を再開します。
病院からリハーサルに通う人や介護老人施設から通うお年寄りもいらしたりして、本当に皆さん歌うことが大好きなみたいだし歌うことで他人とのコミュニケーションをはかっているみたいです、ドキュメンタリーの撮影中に1人のメンバーが病気の急変で亡くなりますが動じることなく刑務所の慰問や念願のコンサートに望む姿を描きます、最初はおぼつかなかった発声がレッスンをつづけるうちにこんなにも声が出るかというほどの声量になっていきます。
ジミヘンにコールド・プレイやJBなどのロックンロール・ナンバーを失敗を恐れずに大声で歌い上げます、いつも歌詞を忘れてしまったりリズムが取れなかったりして本番ではうまくいくのか心配になるというのも面白いです、“老い”というのを目の前にして歌を歌う楽しさを見せてくれる老人たちから私たちは“生きる力”をもらえます。
コンサートを終えてヤング@ハートを離れるフレッドが、メンバーに宛てた手紙の中身が素晴らしかったです、お勧めします。 |