 | オカルト作家ながら超常現象をまったく信じず、心霊スポットを訪ね歩いてはその体験を記事にするという主人公。そんな彼は、1時間以上生き延びたものがいないという呪いの部屋に宿泊するのだが……。ホラー小説の巨匠、S・キングの短編を基に、主人公の想像を絶する体験を綴る。ほとんどの場面がホテルの部屋と主人公1人という舞台劇のような構成ながら、スリルとスペクタクルに満ちた映像を作り上げたスタッフの尽力が光る。主演は「さよなら。いつかわかること」のジョン・キューザック、ホテルの支配人オリン役にサミュエル・L・ジャクソン。
超常現象をまったく信じないオカルト作家エンズリン(ジョン・キューザック)は、心霊スポットを訪ねては、そのまやかしを暴く記事を執筆していた。そんなある日、彼は「1408号室には入るな」とだけ記されたホテルの絵ハガキを受け取り、興味をそそられてそのホテルを訪ねる。だが、支配人オリン(サミュエル・L・ジャクソン)は異常なまでに1408号室への宿泊を認めようとしない。半ば強引にキーを手にしたエンズリンは、56人もの犠牲を出したというその部屋に足を踏み入れるのだが……。
巨匠スティーヴン・キングの短編ホラーをジョン・キューザック主演で映画化した作品です、超常現象を疑い呪われた部屋として知られる“1408号室”に宿泊して、その謎を解明しようとした主人公に襲いかかる想像を絶する恐怖を描いていました。
超常現象を一切信じないジョン・キューザック演じる作家のマイク・エンズリンは、幽霊や怪奇現象が噂されるスポットを訪ね歩いてはその体験を文章にまとめるオカルト作家、そんな彼のもとに“1408号室には入るな”と書かれた謎めいたポストカードが届く。 絵柄はニューヨークにあるドルフィン・ホテルのもので興味をそそられたエンズリンだったがホテル側は1408号室の宿泊に異常な拒絶反応、サミュエル・L・ジャクソン演じる支配人オリンはエンズリンに1408号室の宿泊客で1時間以上もった者がいないこと、その犠牲者は56人にものぼるという驚愕の事実を明かして宿泊を思い留まるよう説得する。 しかしそれを聞きますます興味をかき立てられたエンズリンは、支配人オリンの再三の忠告を無視してついに1408号室へと足を踏み入れるのだったが・・・。
最近『グリーン・マイル』『ショーシャンクの空に』の天才フランク・ダラボンと組んで、大傑作ホラー映画『ミスト』を発表したスティーヴン・キングが今度は『すべてはその朝始まった』のミカエル・ハフストロームと組み、これまた傑作となったホラー映画を発表しましたがそれがこの『1408』でした。
呪われた場所を取材し執筆してアンチ霊現象作家として生計を立てているマイク役にジョン・キューザックが扮し、ある朝海岸で送られて来た“NYのドルフィン・ホテルの1408には行くな”と絵葉書をモトに最愛の娘ケイトを失ったNYを訪れます、支配人オリンが“1時間もった人間はいない”と止められるのもきかずに『1408』号室に入りますが、そこで身の毛もよだつような恐怖の連続を体験することになります。
今回はサミュエル・L・ジャクソンは“ドルフィン・ホテル”の支配人オリン役で登場シーンは少なかったですが印象的な役所、出版社の編集長のサム役にトニー・シャルーブが扮して疎遠になった妻のリリーを演じたメアリー・マコーマックが扮しています、メアリー・マコーマックは久しぶりの大役だったのでちょっと嬉しかったです。
心霊スポットの探索というテーマで1408号室の内部で起こる超常現象的恐怖をサスペンスタッチでうまく描いていました、オリンに『1時間もった人間はいない』と忠告された通り部屋の時計が1時間から逆に動いていく仕掛けや、絵の中の船が実際に動いたり亡き愛娘ケイティやリリーの思い出が繰り広げられたり沢山の“心霊現象”がエンズリンを襲います。
「シャイニング」以外はつまらないと『ミスト』の時に言いましたが良く考えたら、「キャリー」をはじめ「ミザリー」などのホラーに「ショーシャンクの空に」「グリーンマイル」の非ホラーと、今思い出しても何本もの映画の傑作が出てくるというのはそれだけ秀れた原作を秀れた監督が映画化している証拠ですね、しかし素晴らしい作品がある一方でとてつもなく面白くない作品があるのも事実です。
このキングの短篇小説“一四〇八号室”を映画化したこの『1408号室』は、とにかくこれほどの恐怖を考えてくれましたし何より妄想や病気に逃げなかった素晴らしい作品でした、なかなか面白い今年2作目のキング原作のホラー映画でした、お勧めします。 |