 | 「恋愛小説家」を始め主演・助演あわせて3度ものオスカーに輝くジャック・ニコルソンと、「ミリオンダラー・ベイビー」でのアカデミー賞助演男優賞に加え、今や映画に品格を与える俳優として屈指の存在感を誇るモーガン・フリーマン。いずれもハリウッドを代表する名優2人が、それぞれの持ち味を生かして共演したヒューマンドラマです。 大富豪だが孤独な男をニコルソンが、家族に愛されているが生活のため自分を犠牲にしてきた男をフリーマンが演じます、境遇も性格も正反対の2人が人生最後の旅行を通じて心を通わせる姿がしみじみとした感動を呼ぶ作品でした。
億万長者ながら傲慢で心を許せる友人もいない実業家エドワード(ジャック・ニコルソン)と、家族を愛するがゆえに大学をあきらめ、生活のため働き続けてきた自動車整備士のカーター(モーガン・フリーマン)。正反対の2人は、偶然同じ病室に入院し、そろって余命半年の宣告を受けることになった。あるとき、カーターが残りの人生でやりたいことを記した“棺桶リスト”を目にしたエドワードは、そのアイデアに乗り、2人でやりたいことをやり尽くすための人生最後の旅へと出発する。
1937年生まれの同級生のジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンという、名優2人の共演で贈るハートフル・ストーリーでした、自分本位な富豪の男と実直な自動車整備士がともに末期のガンで余命6ヵ月と宣告されたのをきっかけに、死ぬ前にやり残したことを実現しようと2人で病院を抜け出し冒険の旅に出る姿を描いています、監督は「スタンド・バイ・ミー」「アメリカン・プレジデント」のロブ・ライナーです。
家族を愛するまじめで心優しい自動車整備士のモーガン・フリーマン演じるカーターと一代で富を築いた傲慢で孤独な実業家のジャック・ニコルソン演じるエドワード、対照的な初老の男2人はひょんなことから同じ病室に入院揃って余命6ヵ月の宣告を受けます。 そんな時カーターはかつて恩師から教わった死ぬまでに叶えたいリスト“バケット(棺桶)リスト”を書き出し、それを見たエドワードはこのアイデアを気に入りバケットリストを実行しようと2人で病院を抜け出し人生最後の旅に出るのでしたが・・・。
僕もモーガン・フリーマン演じるカーターの冒頭部分でのセリフの通り人生の価値は『自分を認めてくれる人がいるか』で決まると思います、ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンがプライベートでも親しいというのも分かるくらいこの映画でも息がぴったりあっていました、以前『いつか眠りにつく前に』でヴァネッサ・レッドグレーヴとメリル・ストリープの演技を見ているだけでこの映画は素晴らしいと誉めましたが、このニコルソンとフリーマンが共演する「最高の人生の見つけ方」も二人の息のあった演技を見ているだけで素晴らしくて感動出来る作品でした。
原題の『バケット・リスト』とは「棺おけリスト」のことで『死ぬまでにしたい10のこと』とか最近良く映画で耳にしますね、ガンにかかって余命6ヶ月と宣告された自動車整備士のモーガン・フリーマン演じるカーターが学生時代に教わった、“棺おけリスト(死ぬまでにやりたいこと、見たいものなどのリスト)”を最初はエドワードにバカにされますが、そのうちエドワードも面白がって金持ちのエドワードは一緒にやろうと言い出します。
ジャック・ニコルソン演じるエドワードが『コピ・ルアク』のコーヒーにこだわっているんですが、ちょっと『かもめ食堂』を思い出してしまいなんだか笑ってしまいました、モーガン・フリーマンのカーターにその作り方を説明された時にエドワードはビックリします。
ジャック・ニコルソンって『シャイニング』や『カッコーの巣の上で』に『恋愛小説家』、『恋愛適齢期』なんかもそうでしたが憎たらしいらしいんですが本当に演技上手いですよね、昔は演技は上手くてもあまり好きな俳優さんではありませんでしたが最近はこの“アクの強さ”がたまらずに好きになりました。
スカイダイビングからピラミッドの頂上世界最高級のレストランの食事からアフリカでのハンティングなど、“エドワード、お前はどれだけ金持ちなんだ!?”と突っ込みたくなりましたがとても贅沢で楽しさに溢れた旅を見せてくれ、その根底に流れている“余命何日”という哀しさがストーリーに厚味を持たせてくれます、流石は『アメリカン・プレジデント』や『プリンセス・プライド・ストーリー』ロブ・ライナーだと思いました。
ちょっぴり切なくなりながらも“人生とは”“家族とは”、“愛とは”そして“死”とは何かを考えさせてくれます、お勧めします。
※しかしジャック・ニコルソンの存在感には圧倒されますね、フリーマンに仏教の“輪廻転生”について聞いたニコルソンが、『カタツムリは現世でどんな善行・努力をすればいい』のセリフは最高でした。 |