 | エコロジーが注目され「ディープ・ブルー」「アース」といった自然ドキュメンタリー映画がヒットする中、「グラン・ブルー[グレート・ブルー完全版]」など、フランスを代表する監督兼製作者であり、かつては海洋生物学者になる夢を抱いたベッソンがプロデュースしたドキュメンタリーです。 10年もの歳月に空から世界各地を撮影し続け、写真集「空から見た地球」が24言語に翻訳され計300万部以上を売り上げた自然写真家、ヤン・アルテュス=ベルトランが監督。大自然とそこで生きる人間の営みを壮大な映像美で描いた力作です、日本版ナレーターは道端ジェシカちゃんでした。
地球が誕生してから約46億年で、人類がこの星にいるのは現在に至るまでの約20万年。本作でカメラは、50を越す世界中の国々を空から見つめていく。世界一透明な湖とされるロシアのバイカル湖の氷の上で漁をする人々。バクテリアによって緑・黄・赤という幻想的な色合いを見せる米国のイエローストーン国立公園の泉。まるで幾何学模様のように並ぶスペインのソーラーパネル。そこであらためて浮かび上がる人類と自然の関係とは……!?
6月5日の「世界環境デー」に合わせ88か国で同時公開されるネイチャー・ドキュメンタリーです、今最も高い関心が寄せられる社会問題・エコロジーをテーマに世界的な航空写真家ヤン・アルテュス=ベルトランが手がける映像は、究極の俯瞰撮影で数多くの世界遺産を盛り込みながら危機に瀕した地球環境の現実、人間が行ってきた愚行を圧倒的なスケールを持って訴えています。
『アース』や『不都合な真実』に続いて、リュック・ベッソンが贈る“地球環境・温暖化ストラップ”を訴えかける映画、このドキュメンタリー映画では“石油”と“アメリカをはじめとする先進国”にポイントを当てていました、地球の誕生から農耕の開発で定住出来るようになった事柄や最近の“化石燃料”に頼るようになって、人間の生活はどう変わりどういう影響を地球に与えたのかを映像とともに語っていきます、家畜が牧草地を歩くことなく人間の口に入ることを訴えた映像は迫力ありました。
昔からある地球の資源“石油”などのお陰で限られた人々が恩恵を受けていることに焦点を当て、ロサンゼルスや上海の規則正しく列んだ家々はなんか凄く不気味ですし“石油”だけで他には何もない国ドバイの、オイル・マネーで水上に浮かぶ人工の島々を造ったり海水から水を作り出したりしていますが唯の一つもソーラー・パネルが無いというのは驚きでした。
かつて『カリブ海の真珠』と呼ばれましたが森林が2%しか残っていないハイチやマダガスカルの厳しい現状を嘆いたり、資源の豊富なナイジェリアなどの国の殆どの人々は貧困に苦しんでいる現実も何かおかしい話しだと思います、また地球温暖化の影響は北極や南極などの極地に顕著にあらわれていて早急な対策が必要ですが、そうかと思うと砂漠に暮らしながら限られた資源を大切に使う部族もあったりして僅かな希望も感じられました。
日本版のナレーションは道端ジェシカちゃんがやっていたのですがオリジナルは誰だったのかな、自然のバランスを崩し温暖化を招いた私たち人類に何ができるのかを見付けて行こうと問いかけます、世界の惨状を沢山我々に見せておきすでに答えをみつけて歩きはじめた国々のプロジェクトを最後にまとめて紹介していました。
地球の死を防ぐのは人間の知恵と分かち合う心だという言葉が印象的でしたが、リュック・ベッソン率いるヨーロッパ・コープがプロデュースでやはり農業大国フランスが贈った映画でしたからフランスの悪口は無かったですね、このあたりはフランス映画らしかったですが可愛らしさや癒し悲壮感や説教型という平凡な切り口ではなく、独特のここでも“俯瞰”のように一歩引いた視点というのもフランス映画らしい見方だと思いました。
ただ俯瞰の映像が9割以上を占めていたので、メリハリというか寄った映像が殆ど無かったのでそういった映像を交えても良かったかなと思いました、しかしこれを機にアメリカ人や世界中の人々が環境問題に感心を持ってくれればなぁと思いました、お勧めします。
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